吉永は体力づくりのために、最近はジムに通って筋トレにも励んでいるという

かつて吉永小百合が演じたことも

 そして、私がもっとも驚いたのは、1991年年末と1992年正月二週にわたって放送されたドラマ『源氏物語 上の巻 下の巻』。紫式部を演じたのは、三田佳子。脚本・橋田壽賀子、プロデューサー・石井ふく子。そうです。「渡る世間は源氏物語」…ではないが、『渡る世間』メンバーが数多く出演した、前後編計8時間の大作だった。

 紫式部が自室で物語を綴る場面と、『源氏物語』の場面が入れ替わりながら進むこのドラマ。面白いのは、紫式部のひとりごとだ。29歳のとき、17歳年上の方に嫁ぎ、「やっと妻になった」と思ったら、夫と死別、「虚しさのつれづれに書いております」「学者の家に生まれ、地味な暮らしの中に…」などなど、自分の歩みを語ったと思ったら、道長(石坂浩二)が部屋に来る気配を察知し、カメラ目線で「(原稿の)ご催促が厳しいのです」と言い放つ。

 ちなみにこのドラマの道長は、声だけの出演。「道長じゃ!!」「うわっはっはっは」と威張って見せたり、「なになに」「式部、これはないぞ、そりゃ酷じゃ!!」と物語の展開に文句を言ったりする。すると三田式部は「余計なお口出しは無用にございます」とぴしゃっと反論するのだ。さすが、橋田作品。語るわ、怒るわ。こんな紫式部、見たことない。

 三田佳子は、橋田壽賀子脚本の大河ドラマ『いのち』で主演を務めている。紫式部は、権力争いや男女の愛憎を見つめた目撃者として、作家として、娘を持つ母として、時代を生きた。いよいよ大河の主役になる時が来たのである。

三田佳子の人生は息子に振り回された

三田佳子は橋田壽賀子作品で演じた

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