後輩芸人を集めた「竜兵会」も開催できず、リモート飲み会に挑戦するも回数はコロナ前より激減したという。そして2年前に尊敬していた志村けんさん(享年70)が急逝。その喪失感は計り知れない。
立命館大学産業社会学部教授で家族社会学者の筒井淳也さんは「渡辺さんと上島さんについて断言することはできないが、ここ数年で起きた自殺に、コロナの影響がまったくないと考えるのは不自然だろう」と指摘する。
「長引く自粛生活は女性のライフスタイルに強く影響しましたが、実は、直接人と会って、飲み会の場で仕事の信頼関係を築いてきた男性にとっても、大きなストレスになりました。若者と違って、ライフスタイルも仕事の仕方も確立されているため、リモートでの仕事やコミュニケーションへの順応も難しく、それがうつ病に拍車をかけたケースもあるでしょう」
一方、中高年の男性のうつ病は、社会的な理由だけでなく、身体的な原因もある。脳の老化のほか、加齢によって男性ホルモンのテストステロンが減少することも一因だ。精神科医の樺沢紫苑さんは、こう話す。
「テストステロンは簡単にいえば“男らしさ”を司るホルモン。減少すると男性機能だけでなく、自信や意欲、向上心がなくなります。さらに、脳が老化すると、不安やストレスに対処する力が衰えるため、ミッドライフクライシスを乗り越えられなくなり、うつ病に発展しやすいのです」
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※女性セブン2022年6月9日号