ここにきて、岸防衛相の後任候補として名前が報じられているのが当選4回ながら党総務会長に抜擢された福田達夫氏である。福田氏も清和会の所属だが、“系譜”は異なるという。
「清和会のなかには、福田総務会長の祖父である福田赳夫・元首相に連なる『福田系』と、安倍氏の父である安倍晋太郎・元外相に連なる『安倍系』の2つの系譜があるとされる。岸田首相が福田総務会長を閣内の重要ポストにスライドさせるなら、清和会から閣僚を登用したというアリバイを残しながら、旧統一教会に近いというイメージの強い“安倍系”を遠ざけることにつながるという計算がはたらいての人事ということではないか」(前出・ベテラン政治ジャーナリスト)
とはいえ、福田氏は旧統一教会と自民党の関係に関心が高まっていることについて、会見で「何が問題か、僕はよく分からない」と発言して大炎上した。「そんな人物を重用したら、岸田首相の見識が問われるのは確実」(前出・ベテラン政治ジャーナリスト)ともされる。自民党関係者はこう懸念する。
「岸田総理としては、党内最大派閥の清和会が旧統一教会問題で揺れているタイミングで人事を敢行し、自らの求心力を高めることも狙いのひとつだろうが、やり方を間違えれば国民の支持を得られない上に、党内の不満が高まる結果となりかねない。急転直下で明らかになった人事の前倒しだけに、どんな構想が描かれているのか、関係者は固唾を呑んで見守っている」