「迫害もあるでしょうけれど……」
個人的な目標は憲法改正と言い、その理由は次のように語った。時に難しい言い回しをしていたが、「人とのつながり」や「助け合い」を実感できる世の中にしたいという思いが根底にあったようだ。
「普段大学で生活していて思うんですけど、みんな個人主義なのかなって。社会問題とか高齢化とか、どこか他人事なのかな。それをちょっと変えたい」
個人主義に反対し、家族や家庭、共同体に重きを置いた社会を目指していた。
「国民一人一人が、自分のことしか考えられなくなっているんじゃないか。自分の社会や会社、国っていうのは、自分の家みたいなものじゃないですか。もっと公的意識を持てる人たちになっていきたい」
また、女性の社会進出については否定的に見ていた。
「女性っていうのは、家庭での役割もある。女性に訊いてみると、仕事もしたいけど家庭と両立させたいって言っている。それを無視して『どんどん社会進出していきましょう』っていうのは、ちょっとあれかなって」
統一教会の信者は「純潔を守る」ため、結婚するまで性交経験は持たないという。彼氏や彼女を作っている人は「いない」と明言していた。
統一教会に対する否定的な報道について問うと、こう語っていた。
「批判があることは、もちろん知っています。ただ、お父さんお母さんから色々話を聞くと、結構デマが多い。自分にとって、家庭連合はまさに自分のアイデンティティーなんです。家庭連合の主張が間違っていたら、自分のアイデンティティーの否定にもなるので、真剣にならざるを得ない。検討した結果、間違っていないという確信が自分のなかにはあります」
もう一人は、開祖の故・文鮮明氏に対する憧れのような言葉を口にした。
「国際勝共連合の創設者でもある文鮮明先生がいらっしゃる。平和世界実現に向かって、あの人は人生を捧げたんだろうな。世界が少しでも平和に向かっていくなら、自分も同じようにその道を行きたいって思うんです。もちろん迫害もあるでしょうけれど、それでも行きたいよなーって思います」
統一教会への思いを語る場面では、子供のようにキラキラと目を輝かせていた。統一教会の負の部分が一掃され、取材に応じてくれた2世信者たちが平穏に暮らせるようになることを願っている。
●取材・文/西谷格(ジャーナリスト)