アクションとギャグの名作が続々誕生

『宇宙エース』が終わり、次作の『マッハGOGOGО』が始まると、新たな問題が……。

「『マッハGOGOGО』をはじめ、それまでの絵のタッチは竜夫さんの画風でね、骨がちゃんと入っている絵なんです。緻密でクオリティーが高いから、アニメーターたちは描くのが大変。それでも無理して描かせていたら、スケジュールが回らなくなると思って、竜夫さんにギャグアニメをやらないかと提案しました。これならアニメーターたちも描きやすいからって」

 そして笹川さんを原作、脚本、総監督に据えて制作されたのが、1967年の『おらぁグズラだど』だった。緻密な画風のアクションアニメと、デフォルメ(絵画や彫刻などで、対象を変形・歪曲して表現すること。)を利かせた線がシンプルなギャグアニメのローテーションを組むことで作品の幅も広がり、制作進行も順調に進んだ。

 その後、『科学忍者隊ガッチャマン』(1972年)、『新造人間キャシャーン』(1973年)、『破裏拳ポリマー』(1974年)などのアクションアニメの名作や、『いなかっぺ大将』(1970年)、『カバトット』(1971年)、『かいけつタマゴン』(1972年)などの人気ギャグアニメが続々と誕生したのだ。

【プロフィール】
アニメ監督・笹川ひろしさん/タツノコプロ創立時から活躍し、1970〜1980年代のタツノコ作品にはほぼ携わっている。『タイムボカンシリーズ』では7作品すべての総監督を務める。現・タツノコプロ顧問。

取材・文/川辺美奈子

※女性セブン2022年9月29日・10月6日号

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