大事なことはスミスリンシャンプー等で駆除し、梳き櫛で卵を除去する、この基本作業をきちんと繰り返し行なうことです。また、他の家族の頭髪もていねいに調べて、駆除を一斉にすることがポイントです。
布団はよく干して叩く。枕カバーやシーツはこまめに洗濯する。帽子やマフラー、衣類の貸し借りはしないことなどが予防になります。感染後の衣服、タオル、シーツは60℃以上のお湯に5分以上浸けた後(冬季は湯が冷めないように湯をたすなど温度に注意)に洗濯し、成虫も卵も死滅させます。
いま、海外では駆除の薬剤が効きにくくなったシラミも見つかっており、それが日本で増えないかがとても心配です。また、稀なケースですがバスや電車の背もたれを介してアタマジラミが感染した事例も出ているので、日本で広がらないことを祈っています。
【プロフィール】
岡田晴恵(おかだ・はるえ)/共立薬科大学大学院を修了後、順天堂大学にて医学博士を取得。国立感染症研究所などを経て、現在は白鴎大学教授。専門は感染免疫学、公衆衛生学。
※週刊ポスト2022年9月30日号