(共同通信社)

子供を抱く兵士(共同通信社)

「正当な理由なく召集を拒否したら、それもやはり刑務所行きです。正当に拒否する方法があるとしたらけがをすること。そのため、わざと骨折する人もいるといいます」(前出・中村氏)

 実際に召集に応じている予備役の多くは、愛国心のためというより、「貧困」のためだという。地方在住者や、少数民族の多くは、首都モスクワに住む政府関係者のように、召集逃れのために海外で永住できるほどの経済的な余裕はない。

「召集に応じると、金銭的なインセンティブが与えられ、ロシアの平均賃金の3〜4倍の給料を得ている職業軍人と、同程度の給料が支払われるとされています」(前出・全国紙記者)

 モスクワ市民の場合、戦闘で軽傷を負ったら報酬とは別に50万ルーブル(約120万円)、重傷の場合は100万ルーブル(約240万円)の慰労金が支払われる。また、仮に戦死した場合には遺族に300万ルーブル(約720万円)が支払われるという。だが、こうした金銭について中村氏は懐疑的だ。

「補償金を出すと言っていますが仮に戦死したとしても、軍側が亡くなったことを認めるか疑わしい。現在、ロシアの前線の兵士たちとはまったく連絡が取れず、指揮命令系統が壊滅状態とされています。“行方不明”として処理され、遺族に補償金を渡さないといった乱暴な対応まで考えられます」

 9月29日、ウクライナの国防省は、ロシア軍の宿泊施設内部を撮影した動画を公開した。その映像には、次のような説明がつけられていた。

《ロシアでは30万人が新たに動員されることになったが、彼らがまず向かう宿泊施設は、まるでドラマ『イカゲーム』のような過酷な状況だ》

※女性セブン2022年10月20日号

(共同通信社)

ウクライナ侵攻は、すでに7か月を超える(共同通信社)

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