そんな高野さんでも、年齢を重ねて、外国語学習に難しさを感じることはあるそうだ。
「だって記憶力とかほとんどゼロですよ。担当編集者の名前すら出てこないぐらいですから。昔は単語帳をつくって覚えたりしましたが、最近は、覚えられないものは無理して覚えません。
ネイティブスピーカーの発音の後に自分も発音してみる、リピート学習だけしっかりやっておくと、現地に行ったとき、不思議と言葉が出てきたりします」
【プロフィール】
高野秀行(たかの・ひでゆき)/1966年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒業。早稲田大学探検部に所属し、在籍時に執筆した『幻獸ムベンベを追え』でデビュー。ポリシーは「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」。『ワセダ三畳青春記』で酒飲み書店員大賞を、『謎の独立国家ソマリランド』で講談社ノンフィクション賞を受賞。ほかに『幻のアフリカ納豆を追え!』『恋するソマリア』『またやぶけの夕焼け』『未来国家ブータン』『イスラム飲酒紀行』『メモリークエスト』など著書多数。共著に『世界の辺境とハードボイルド室町時代』などがある。
取材・構成/佐久間文子
※女性セブン2022年10月20日号