特殊詐欺被害の防止を呼びかける防犯大使のサザエさんとマスオさん、警視庁マスコットのピーポくん。ピーク時よりは減少したものの、いまも年300億円弱が特殊詐欺被害で奪われている(時事通信フォト)

特殊詐欺被害の防止を呼びかける防犯大使のサザエさんとマスオさん、警視庁マスコットのピーポくん。ピーク時よりは減少したものの、いまも年300億円弱が特殊詐欺被害で奪われている(時事通信フォト)

 黒い過去を無かったことにして、複数の支店やグループ店も出してラーメン店店主として成功したかに見えていたが、そう都合良く世の中は回らなかった。コロナ禍により時短営業などを強いられ、相当なダメージを受けていたという。その窮地を脱出する手段として、新たな詐欺を行い、汚れた金で儲けたという評判が、ものすごい勢いで昔の彼を知る人たちのあいだを駆け巡り、トヨミ氏の耳にも入った。

「かなりの金額になるコロナの補助金を得ていたようです。自分のグループとは関わりが無い、まったく無関係の休業中だった店の経営者を騙し、その住所に10以上の飲食店を”オープンさせた”と虚偽の書類を提出。数百万とも数千万とも言われる大金をせしめて不正請求だとバレたのですが、書類上の責任者は休業店の経営者だったため、捜査はそっちにいきました。そんな男が経営するラーメン屋は今も雑誌やSNSで取りあげられている。まさかこんな奴が作っているとは、今、店でラーメンをすすっているお客さんは知らないんです」(トヨミ氏)

 新型コロナウイルスの影響を受けている事業主に対しては、国による持続化給付金や雇用調整助成金、都道府県などによる飲食店への給付金など様々な助成制度があった。本当に困窮しているところにはありがたい制度だったはずだが、虚偽の申請や不正受給が相次ぎ、特に持続化給付金では組織的な詐欺で逮捕された者も複数いる。

 持続化給付金詐欺については、大規模なグループが関わったため記憶している人も多いだろう。「誰でも簡単にお金がもらえる」と申請者になる人を誘い、「助言をする」「書類作成を手伝う」という名目で、振り込まれた給付金の大半を報酬として受け取るやり方が広がっていた。そのとき、よく分からないまま申請者になってしまった人が、給付金の大半を渡してしまって手元に残っていないのに、全額の返還を求められて窮している人が大勢いる。

 問題のラーメン店店主も、申請者を集めて報酬をもらうという、同じような行為に手を染めていたと評判だったが、今のところ取り締まられていない。そして、さすがにコロナ禍はこたえたのか、支店のいくつかは閉店しており、複数のラーメン店を経営する敏腕経営者の地位が脅かされるのも時間の問題では、とささやかれている。

高齢者施設の新オーナー「老人は家族のお荷物だから、仕事はなくならない」

 場所も業種もまったく異なる話だが、神奈川県在住の高齢者施設経営・坂口美枝子さん(仮名・50代)が、同業の新進経営者について声をひそめて語る。

「つい最近近くにできた介護施設があるんですが、最初は普通の施設かなと思っていたら、コロナ禍くらいから様子がおかしくなり、今では様々な悪い噂を耳にするようになりました。平日でもがらんとしていて運営しているのかもわかりません」

 坂口さんの施設から数百メートル離れたところに、新たに高齢者施設がつくられたのは約6年前のこと。ところが、経営が行き詰まったのか、2年ほどで経営者が変わったという。その新たにやってきた経営者だが、とても「カタギ」には見えなかったのだという。

「別の法人さんが施設ごと買い取った、と聞いていたのですが、どんな実業家かと思ったら、色黒で金髪、腕には入れ墨。ウソでしょ、怖いと思い、それ以降ほとんどおつきあいはありません」(坂口さん)

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