「彼氏はいるの?」は女性同士でも絶対NG

 いまや、男性上司が女性の部下に「彼氏はいるの?」などと聞こうものなら、セクハラとしてだけでなく、プライバシーの侵害としても、厳しく糾弾されるだろう。仮に女性の上司であっても、いまはプライバシーに立ち入った質問はふさわしくない。同性でもセクハラは成立するほか、女性の恋人が男性ではない場合も考えられる。

 明石さんは「日頃から相互理解と信頼関係があれば、セクハラとは思われない」としたうえで、注意を促す。

「ジェンダーに限らず、多様性が認められるようになり、時代が変わったということは、これまでは当たり前だったルールやマナーが通用しなくなっているということ。もちろんパワハラを心配するあまり、必要以上に若者におもねるべきではありません。世代間ギャップに共感はできなくても、認識し、理解しようとする姿勢が大切なのです」

 時代が大きく変わり、コミュニケーションの手段やかかわる人々が多様化しているいま、マナーも多様化している。

「マナーの本質は相手を思いやることであり、相手だけでなく自分も心地よくなれるのが本当のマナーです。決まったしきたりを守ることばかり重視するのではなく、どうしたらお互いが居心地よく、ラクになるかを考え、その場に応じた振る舞いができるのが上級者です」(諏内さん)

 目の前の相手と向き合って、無数にある選択肢の中から最適解を選び出す「人間力」こそが、真のマナーなのだ。

※女性セブン2022年12月15日号

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