川島明が現場に与える「圧倒的な安心感」
中でもいまや伝説として語り継がれるのは『水曜日のダウンタウン』とのコラボ企画だろう。ゲストのあのが遠隔操作されているというドッキリ企画だ。そのドッキリを知っていたのは辻を始めとするごく限られたスタッフだけだった。
「一言でいえばドキドキでしたね。本当に生でガチでやっていたんで。とにかくあの頃は、極端に言えば『TBSで新しい番組が始まりました』っていうのを知ってもらうきっかけがほしかった。だから『水曜日のダウンタウン』演出の藤井健太郎さんから話が来たときに、勇気を持ってやってみようと思ったんです。普通の朝番組だったらたぶん色々なリスクを考えて受けないかもしれないですね。でも勝負してみようと。もちろん藤井さんへの信頼も大きいですが、あの時はそれくらい追い込まれていました(笑)。
でもたとえばオープニングを長くすることだって同じなんです。今までに無いことを朝の生放送でやるのは、すごく勇気のいることで今でも毎日ドキドキです。でも何か変えてかないと何も生まれないし、それで番組がつまらないと判断されたら私が替わればいいことなので色々やってみようと。でもチャレンジングな企画はもちろん、適当にやっているように見える企画でも、私は性格的に心配性だったりするんで、自分の中でひたすら考えて、放送直前まで悩んでます。もちろん失敗してしまうこともありますが」
そんなチャレンジングな企画を成立させているのがMCである川島の存在だという。
「川島さんのスゴさは日々実感していますけど、言葉にするのは難しい。ひとつは、出演者の人たちがよく言っている『圧倒的な安心感』だと思います。それは僕ら制作側も感じているところなんです。ちょっと冒険的な企画でも、必ず受け止めてくれて笑いに変えてくれる。その安心感があるからこそ、私たちも勇気を持って判断できて勝負できるんです」