依存しやすい市販薬一覧
頭痛を抑えるための薬で頭痛になる
自然由来で一見体にいいイメージのある「漢方薬」にも気をつけるべきだと平さんは指摘する。
「たとえばさまざまな漢方薬に含まれる『麻黄』にはアッパー系のエフェドリンが含まれています。複数の漢方薬を日常的にのんでいる人は成分をチェックしてほしい」（平さん）
麻黄と同様、さまざまな漢方に用いられる「甘草」にも注意が必要だ。
「甘草は、過剰摂取や長期連用によって血圧の上昇やむくみ、手足のしびれ、のどの渇き、吐き気や不整脈などが主症状の『偽アルドステロン症』を発症するおそれがあると報告されています。1日における摂取量が7.5〜8gを超えると出やすいといわれ、約8割の漢方に入っているほか、風邪薬や胃腸薬などにも使われています」（三上さん）
服用当初は依存性の影響がなかったとしても、服用を重ねるうちに効果を弱く感じるようになり、量が増えるものもある。平さんがいちばんに挙げるのは解熱鎮痛薬だ。
「なかでも古いタイプの催眠鎮静薬である『アリルイソプロピルアセチル尿素』と『ブロモバレリル尿素』を含む解熱鎮痛薬は、繰り返しのむうちに効き目が弱まり、服用量が増えやすくなる。医療現場ではほとんど使われていないにもかかわらず、市販薬には含有されている。片頭痛の症状を抑えるためにこれらの薬をのみ続けた結果、長期連用になり、『薬剤の使用過多による頭痛』を引き起こすことも珍しくありません」（平さん）
「病院に行くまでもないから」と手軽に使う便秘薬にも、気をつけるべきものがある。
「腸を直接刺激して排便を促すタイプの刺激性の便秘薬は、使い続けるほどに効果がなくなる。最初は2錠で充分だったものが、4錠、10錠と次第に増えていく傾向にあります。いくらのんでも排便できなくなった結果、病院で治療を受けざるを得ない状況になる患者もいます」（平さん）
※女性セブン2023年1月19・26日号
