ひどい場合は昏睡し、被害に遭いやすく
「大麻への知識不足によるトラブルが懸念されます。たとえば、自分にとって適正な量や品種などを把握しないまま、なんとなくで大麻を吸引して、バッドトリップに陥るなどです。過去にオランダの空港で、担架で担ぎ出される日本人女性を目撃しました。どうやら滞在の最終日に『せっかく買ったのにもったいないから』と手持ちの大麻を全部吸った結果、具合が悪くなってしまったようです。
しかし、空港で倒れて搬送されるぶんには、まだマシなのかもしれません。大麻を吸引すると、まるで身体が石になったような“ストーン”という状態になり、ひどい場合は昏睡します。窃盗や性的暴行の被害にあっても身動きできず、されるがままになってしまうことでしょう」
また、タイ国内においても誰でも好きなだけ大麻を吸引していいわけではない。
「20歳未満や妊婦らの使用など、タイ国内でも禁止事項はあります。そもそも厳密に言えば、娯楽目的の吸引は禁止です。細かいルールを把握しないまま大麻を吸引して法律を犯し、留置場に入れられたり、強制退去処分をくらう可能性はゼロではありません」
タイ国内でも罰せられる可能性がある一方で、在タイ日本国大使館は、〈日本では大麻取締法に基づき大麻の所持等が禁止されており、日本に大麻を持ち込もうとした場合等には同法による処罰の対象となります。また、国外において大麻をみだりに、栽培したり、所持したり、譲り受けたり、譲り渡したりした場合などに罰する規定があり、罪に問われる場合があります〉ともしている。
Twitter上では、タイの路上で紙巻きした大麻を吸っている写真や動画がアップされ日本語で「大麻を吸う生活」などと書かれ、「行ってみたい」といったコメントがつくなどしている。これから大学生の卒業旅行シーズンとも重なるだけに、若者らが安易に手を出すような事態も懸念される。“海外旅行中のちょっとした火遊び”のつもりで人生をめちゃくちゃにしてしまわないように。