血圧を下げるための主なツボは、別に図解した5つだ。効果が特に高いとされるのが、喉仏の左右両側、指幅2本分離れた場所にある「人迎」。ここに指を押し込むと脈打つのがわかる。
「人差し指と中指を揃え、中指がツボに当たるようにセットし、首の中心に向かって押し込みましょう。苦しくならない程度の力で息を吐きながら5秒かけて押し、吸いながら5秒かけて離します。これを左右それぞれで5回ずつ行ないます」
一時的に血圧を下げる即効性のある「ツボ押し」で不十分な場合は、ストレッチによって「高血圧体質」の改善にアプローチできると加藤氏は言う。
「ツボ押しをしても効かない、またはすぐに血圧が上がるような場合は、身体的な問題と考えます。高血圧の根本原因として、『肺機能の衰え』を見逃すわけにはいきません。加齢により肺活量が減ると、必要な酸素を脳や全身にスムーズに送れなくなります。すると血管内にあるセンサーが心臓のポンプ力を高めるよう指令を出し、心拍数を上げて体内の酸素量を安定させようとする。血圧が上がるのはそのためです」
「肺活量」を復活させる
加藤氏の推奨する「降圧ストレッチ」は、デスクワークや運動不足で衰えた肺を動かすことにより「肺活量」を復活させ、筋肉を動かすことで血管を柔軟にして血圧低下を図るメソッドだ。メニューは多岐にわたるが、特に重要なのが「胸のストレッチ」だという。
「まず取り組んでほしいのが、縮み切っている肺を囲む“籠”をしっかり広げ、肺を広げる胸のストレッチです。年齢を重ねると肺の周りの筋肉も弱ります。姿勢が悪くなり、血圧を上げる要因が重なります。まずは肺を広げ、空気をどんどん取り込む行為が、血圧を下げる方法の1つです」