具体的には、まず足を肩幅に広げて両手を体の後ろで組み、肘を伸ばして手を下方向に引っ張る。次に組んだ両手を胸を張ることで背中から離していき、ゆっくりと上げる。同時に顎を上げて顔を上に向け、胸を張った状態を10秒キープする。
胸のストレッチに加えて「心肺機能アップ」のストレッチを別に図解したが、それ以外にも「背中」や「脇」、「脚」、「腰」のストレッチが用意されている。興味がある人は加藤氏の著書を参考にしてほしい。
「降圧ストレッチをすべて行なえば5分くらいですが、私が何より伝えたいのは継続すること。最初は胸のストレッチをまずやってみて血圧を観察し、変化を見て増やしていきましょう」
こうしたツボ押しや降圧ストレッチを実践し、2か月で血圧が「54」も下がった患者がいる。
2年前から血圧の高さを健康診断で指摘されていた55歳の女性・香住さん(仮名)は、164まで上がった血圧がツボ押しだけで20下がり、さらに降圧ストレッチを重ねることで、2か月後には110まで下がったという。「朝の目覚めに気持ちよく実践でき、長く続けられそう」とは香住さんの弁だ。
「生活習慣病の治療は薬に頼るのではなく、日々の生活で改善するのが正解」と加藤氏。数値を気にして“薬漬け”の生活を送るより、自身の行動で健康を取り戻せることが望ましい。
※週刊ポスト2023年3月10・17日号