以来、バラエティー番組から“いじめ臭”を嗅ぎとる鼻がますます利くようになってね。ビートたけしもたけし軍団もキツイ。とんねるずもダメなら、ダウンタウンも笑えない。ダチョウ倶楽部の「押すなよ」は1秒だって見ていられない。「気にしすぎだよ」「あの笑いがわからないって、残念」とどんなに言われてもダメはダメ。笑いのツボの違いは感覚の違い、てか、もしかしたら遺伝子レベルの違いかもね。
そういえば、『ザ!鉄腕!DASH!!』特番(日本テレビ系、3月26日放送)の「3000歩で海外旅行出来るか?」という企画もキツかった。
韓国・ソウルの人気焼き肉店まで東京から3000歩以内で行き着けるかを国分太一ら4人が競うという企画だったんだけど、その連中は歩数を少なくするため、スーツケースに“乗って”、空港内や駅などを移動。途中、混雑する場所で人にぶつかりそうになるシーンがあって、かなりの顰蹙モノ。日本人の恥を海外で曝すようで、うっかり見ていた私は不快感しかなかった。
《最近のバラエティー番組の企画は小学生のおふざけより幼稚。やってることは迷惑系YouTuberレベル。公共の電波を使わせるべきではない》という意見がネットにあふれてたけど、ホント、その通りだと思うよ。
『スッキリ』にしても『ザ!鉄腕!DASH!!』にしても(もしかしたら昨今のテレビマンの少なからぬ人たちは)、30代、40代の感覚だけで番組作りをしない方がいい。「人生100年時代」とかいって、元気ハツラツの中高年時代が続くとどこかで思っているかもしれないけど、もっと現実を見た方がいいって。
だいたいね、悪ふざけをするにも適齢期があって、10代、20代なら「顔洗って出直してこい!」って話だけど、加藤浩次53才、春日44才。悪ノリは寒いだけだって。
自分の老いには鈍感でも、他人の老いにはとても敏感なのが中高年でね。会えば、「あの人、老けたよねぇ。びっくりしちゃった」と同世代の悪口よ。この“鈍感と敏感のギャップ”は今後、ますます大きくなっていくと思う。えっ、私? 体重は増加しても、お財布の軽さはバリバリ青春。まだまだイケていると思っていますッ!
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2023年4月20日号