好彦氏の自宅を訪れると敷地内には廃材や空き缶、錆びた調理器具、焼酎の4リットルボトルなどが散乱していた。近くの商店の店主は昼から酒に酔った好彦氏をよく目撃したという。
「酒は焼酎が好きでね。近所のスーパーで大きなペットボトルを買っていた。昼間から飲んで、千鳥足のようにフラフラと歩いていることもあった。酔っていると上機嫌になるタイプで、あるとき街中で酔ってぱらっているところで(好彦氏が)知り合いから『若いね』と声をかけられたんだけど、『まだ(股間を指で示して)こっちさ、たつから」と言っていた。奥さんも酔っぱらった好彦が寝る頃を見計らって家に帰っていた時期もある。変わりモンだよ」
しかし、ある時期までは好彦氏も家庭に恵まれ、真面目な生活をしていたという。
「それが変わっちまったのが家族の不幸。好彦の奥さんは20年ほど前に病死。子供たちももしばらく見ていないから、孤独だったんだろう。
昔は大工をやっていてちょっと前までは農家だった。その時は周りの家とお互い手伝っていたこともあったが、ここ何年かは仕事もしていない。少し前に人に畑を借りて、にんにく栽培をやったが、経験不足でうまく育たなかった。年金はもらっていたはずだが、お金がないようで、いつもイライラしていた」
十文字一家と好彦氏の間に何があったのか。献花に訪れた青森県警本部長は「真相解明に向けて全力を尽くします」とコメントを残している。【了。前編はこちら】