──ところで、ノッポさんが一番「幸せだなぁ」と思う時ってどんな時ですか?
そりゃあ、おチビさんとやり合う時ですよ。おチビさんはよく大人をからかいますよね。おチビさんがちょっといじわるなことをしてきた時なんて、私は「さようですか」とバッサリやるんです。これは抜群の効果がありますよ。絶対に勝つんです。「これは上手(うわて)だ!」「この人にはかなわない!」ってなりますからね。そんなやりとりがあると、おチビさんも私を友達として認めてくれるようですね。
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番組終了から26年経ったインタビュー当時、ノッポさんはテレビの中で見たノッポさんのままだった。「『小さい人』だったあの頃、どんな人もみんなきれいで、賢い存在でした」と語っていたノッポさん。「小さい人」への敬意を持ち続けたその姿勢は、今後も皆の心に留まり続けるだろう。
【プロフィール】
高見のっぽ(たかみ・のっぽ)/1934年5月10日生まれ。2022年9月10日没。1967年から20年超にわたりNHK教育テレビで放送された『なにしてあそぼう』~『できるかな』では、一言もしゃべらずに鮮やかに工作を生み出す“ノッポさん”として出演。同時に、作家・高見映として多数の児童書、絵本、エッセイなどを発表。その後は、俳優・作家・歌手として幅広く活躍中。2016年に『ノッポさんの「小さい人」となかよくできるかな?―ノッポ流 人生の極意―』を上梓。