【押し入れ】布団は乾燥させてから押し入れに収納を
押し入れの中は風があたらず、空気の循環が悪い。そこへ、汗で湿り、皮脂など体の汚れが付着した布団を入れたらカビの温床になるのはいうまでもない。
「健康な大人の場合、夏でも冬でも一晩にコップ1杯程度の寝汗をかくとされています。布団を手で触っても濡れているとは感じないかもしれませんが、朝起きた直後の布団は間違いなく湿度が高い状態。ですから、そのまま押し入れに入れることは絶対にしないこと。外に干すか布団乾燥機にかけて乾燥させてからしまいましょう」
しばらく使わない布団は、クリーニングに出すか、丸洗いして、皮脂などの汚れを取ってから収納を。できれば、汚れを取ったらすぐ真空パックなどにするとよりいい。
【クローゼット・たんす・靴箱 】除湿剤を湿気のたまりやすい場所に設置
押し入れ同様に、クローゼットやたんす、靴箱など、扉・引き出しを閉めてしまうと密室になってしまう場所は空気の流れが悪く、湿気とほこりのたまり場になりやすい。
「クローゼットなどの内部で空気の流れをつくるため、定期的に扉や引き出しを開けておきましょう。また、特に湿度が高くなりそうな場所には、除湿剤を設置するのもおすすめです」
湿度が高そうな場所を特定するには、最初に除湿剤をすべての引き出しや棚などにまんべんなく置き、いち早く水に変わった場所をチェックするといい。
「漠然と掃除をすると、すべてをきれいにしないといけなくなり大変ですが、湿度の高い場所に目星を付けておけば、カビが発生しやすい場所だけ、ピンポイントで掃除できます」
【プロフィール】
松本忠男さん/医療環境管理士。プラナ代表取締役。35年間、病院の環境衛生に携わる。「健康を守るお掃除士」として国内外で活躍中。
取材・文/番匠郁 イラスト/こさかいずみ
※女性セブン2023年6月1日号