事件を起こしたと思えぬような軽い文面の手紙を受け取ったBさんは「読んでがっかりした。見下されている。大目に見てくれると思っているように見える。また会えると思っているようだが、そのように考えていることが信じられない」と陳述。Gさんも「苦しみを理解していると思えることが一切書いていない」と続けた。
大学2年生当時、就活アプリで知り合った丸田被告に食事に誘われたIさんは、バーで被告からカクテルを飲み干すように勧められ、飲み干した後にいきなり意識を失った。一杯しか飲んでいなかったにもかかわらず、長時間意識を失っていたことから、被告が睡眠薬を盛ったのではないかと疑っていた。その後、被告の逮捕をニュースで知り、Iさん自身も警察に被害を申告したという。
そんなIさんのもとに被告から届いた手紙には〈監禁生活の2年半、全て失った。生き地獄だ〉などと書かれており「まるで被告人が被害者を責め立てているように感じて怒り心頭。生き地獄は、何も悪いことをしていないのに被害に遭った私のほうです」と怒りをあらわにした。
被告は被告人質問において“母や過去の交際相手から酷い仕打ちを受けた”ことが事件の遠因であるかのような証言をしていたが、Iさんはそれにも「百歩譲ったとしても事件と結びつかないし私に関係ありません」と述べ、最後に言った。
「できるだけ重い刑にしてほしいです。一生刑務所から出さないでほしい」(Iさんの陳述)
◆取材・文/高橋ユキ(フリーライター)