弁護人「どうもあなた、しゃがんでる相手を蹴ってる。あなたサッカーやってたんですよね。しかも女性を本気で蹴った。大ごとになるとは思わなかった?」
八重樫容疑者「頭の中、考えることできなかった……」
裁判では、今後の更生のための行動も問われていた八重樫容疑者。トー横に近寄らないよう、実家の岩手に帰り、両親の監督のもとで暮らすことや、トー横で出会った人たちと連絡を断つためにSNSのアカウントを削除するとも述べていた。
しかし、それ以前に起こした事件の舞台も、やはりトー横だった。約束が守られるのかと、検察官は厳しく確認した。
検察官「前回の事件もトー横で、罰金刑の判決を受けましたね。今回もトー横。普通ね、トラブルになるとその場所に近づかないのが普通だと思うんですけど、なぜ今回も?」
八重樫容疑者「行かないという発想はそのときなかった。悪いという認識乏しかった……。あ、ほんとに、自分に対して甘かったなと」
検察官「罰金刑の判決受けたのに、悪いことじゃないと思ってたんですか?」
八重樫容疑者「当時はそう思ってました。交際相手を誘拐したことで罰金刑になって腹が立ってました」
検察官「処罰に納得してなかったんですね」
八重樫容疑者「はい」
検察官からは論告で「2021年5月には淫行で罰金刑の判決を受けたにもかかわらず性欲の赴くままに本件犯行に及んだ。酌量の余地はない。繰り返し淫行、児童ポルノの製造を行なっており常習性が高い。処罰に懲りない被告人は再犯の可能性が高い」と指摘されている。翌3月には懲役2年6月執行猶予4年の判決が言い渡されていた。
「未成年を対象にすること、間違っている。未成年との繋がり、関わり、避けていくつもりです」とも述べていた八重樫容疑者だったが、執行猶予判決後、両親のいる岩手から東京に舞い戻り、再び未成年と関わって、今回の逮捕となった。現時点で「女の子のことは知らない」と容疑を否認しており、起訴されるかどうかは不明だが、少なくとも、昨年の裁判で八重樫容疑者が掲げた約束は、守られていなかったようだ。
◆取材・文/高橋ユキ(フリーライター)