ブルージェイズの菊池も絶好調(写真=USA TODAY/時事)

ブルージェイズの菊池も絶好調(写真=USA TODAY/時事)

大谷は「中10日」にせよ

 大谷にも課題がある。今シーズンの大谷は、7勝3敗、防御率は3.02、奪三振率はリーグトップの11.99となっているが、ロッテなどで活躍し、キャリア終盤で渡米も経験した前田幸長氏はこう語る。

「大谷は疲労が蓄積するとコントロールが安定しなくなる傾向がある点が心配です。今シーズンもフル稼働しているせいか、だんだんと四死球が増えてきている。首脳陣に的確な判断が求められます。疲れがより出やすい夏以降は、中6日のローテーションを中10日に変更したり、一度ローテを飛ばしたりするなどして体調を回復させて、大谷が投げる試合はすべて勝つ戦略を取ることが必要です」

 投打の要である大谷を上手に休ませながら、チームの弱点を着実に補強することが、ワールドシリーズに進出するための条件となりそうだ。

 そのうえで最終的にワールドシリーズのMVPを狙うには、優勝するのはもちろんのこと「勝利への貢献」が欠かせない。福島氏が語る。

「ワールドシリーズでMVPを獲得するには個人成績よりチームの勝利への貢献度が重視されます。短期決戦のワールドシリーズはチームの勝利に最も貢献しやすい先発投手がMVPに輝きやすい傾向にある。大谷は投打両面でアピールできるのでプレーオフまでに投球数を抑えるなどして、万全な状態で臨むことができれば、WBC、シーズンに続く“3連続MVP”が期待できます」

 今年10月、史上最高のSHO-TIMEが見られそうだ。

※週刊ポスト2023年7月14日号

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