(写真/PIXTA)

コットンパックも刺激に(写真/PIXTA)

 とはいえ、健康で美しい肌を保つために必要なものであることは間違いない。正しく効果を引き出すためには、化粧水は手でつける方がいい。どんなにやわらかいコットンでも、その繊維が肌にとっては刺激になる。美容研究家の上田祥子さんがアドバイスする。

「コットンでのパッティングは毛細血管へのダメージになります。化粧水や乳液は手のひらに取って、肌を包むように軽く押さえてつけてください」

 コットンを使ったパックやシートマスクも、肌にたっぷり水分を与えているように思えるが、実は逆効果。

「角質は、長時間水分に浸されるとふやけて、傷つきやすくなります。それにより、バリア機能が落ちてかえって内部の水分が蒸発しやすくなり、乾燥肌につながるのです。できれば、肌につける化粧品の数を減らすのがいい。どんなに高価な化粧品をつけても、数が多いほど、肌を触る回数が増え、刺激も多くなるからです。保護のための保湿剤(ワセリンなど)と日焼け止めだけでも、肌のいい状態を維持できるのが理想的です」(落合さん)

(写真/PIXTA)

正常な肌は「バリア機能」がきちんと働いているため、水分を逃がさず、紫外線や空気中の有害物質の侵入を防げる。間違ったスキンケアで角質が薄くなったり、ターンオーバーが早まりすぎた肌はバリア機能が働かず、乾燥が進み、外部からの刺激に弱くなる(写真/PIXTA)

 それでも「きれいになれる」「最新の成分」といわれれば、試してみたくなるのが女心。だが、最近話題の「ビタミンC誘導体」「ピュアビタミンC」配合の化粧品も、専門家によれば、効果のほどは「不明」。抗酸化、美白といった美容効果があるのは確かだが、ビタミンCはもともと水溶性で、化粧品に配合するには極めて不安定な成分なのだ。

「壊れやすいビタミンCを、体内で安定して働くように加工したのが『ビタミンC誘導体』で、加工されていないものが『ピュアビタミンC』。いずれもメーカーによって処方も品質もバラバラなので、実際に角質層に浸透するのか、また浸透した後に本当に期待する働きをするのかは、わからないのが現状です」(柴さん・以下同)

 しわやたるみを改善するといわれる注目の成分「レチノール」も、ビタミンCと同じく、非常に酸化しやすい。

「レチノールは非常に劣化しやすい特徴があります。そのためレチノール化粧品の容器は、中身の酸化を確実に防ぐことができるつくりでなければいけない。しかし、本当に品質を維持できるパッケージのものは多くないでしょう。話題の成分を前面にうたっているものでも、中身が伴っていないことが多い。キャッチコピーに踊らされずに、確認試験の有無や容器まで確認してください」

 また、レチノールを肌につけると角質の剥離が進んで紫外線などの刺激に過敏になる「レチノイド反応」があるほか、日光によってレチノールが分解されると、生成物が肌への刺激になる恐れもあるため、日中の使用は基本的に避けるべきだ。

※女性セブン2023年7月27日号

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