小沢氏は細川政権下で選挙制度改革を主導した(左から森喜朗・自民党幹事長、河野洋平・自民党総裁、細川護熙・首相、小沢一郎・新生党代表幹事。肩書きはいずれも当時)

小沢氏は細川政権下で選挙制度改革を主導した(左から森喜朗・自民党幹事長、河野洋平・自民党総裁、細川護熙・首相、小沢一郎・新生党代表幹事。肩書きはいずれも当時)

──6月16日に立憲民主党の議員に呼びかけて「野党候補の一本化で政権交代を実現する有志の会」を立ち上げ、さらに5日後の21日に新グループ「一清会」を発足させました。

「泉(健太)代表や岡田(克也)幹事長が衆院選の候補者を150人しか立てないと言った。それは万年野党を目標にしているのと同じで不見識だ。それに、他党と選挙協力はしないとも。もう、政権を取るという意思が全くない。『こんなことでいいの?』と、みんな非常に危機感を持った。ただ腹の中ではそう思っているのに、陰でブツクサ言うばかりで自己主張しない議員が多い。

 だから、まずは野党が統一して候補者を立てて、それで自公に対抗しようと思った。同じ考えの人は『この指止まれ』と僕が言った。それで初めてみんなが安心して参加したわけだ。

 執行部などを除いた80人に声をかけて、2日間で53人の署名が集まった。その後も一人、二人、と増えてほぼ60人。つまり、声をかけた人のうち8割近くがようやく自分の意思を表明したことになる。だから、党の執行部もよくよく認識を新たにしたと思う。国民の皆さんもこれが大半の立憲議員の気持ちだと理解してもらいたい。そういう意味では、第一歩としては成功したかなと思っている」

──ただ、今の野党に自民党政権に取って代われる程の力があるのかという声もありますが?

「野党は頼りないし、政権担当能力があるのかと必ず言われる。でも自民党と同じ政治でいいのなら野党だってできる。官僚に任せて何もしなきゃいい。そうではなくて、政権が代わるというのは、日本社会の利権構造が変わること。自民党政権のもとで構築されてきた既得権のピラミッドが、それに全然はまってない者が政権を取ることで崩壊する。それこそが政権交代の最大のメリットであり、目的だ」

第2回に続く

【プロフィール】
城本勝(しろもと・まさる)/1957年熊本県生まれ。フリージャーナリスト。一橋大学卒業後、1982年にNHK入局。福岡放送局を経て東京転勤後は、報道局政治部記者として自民党・経世会、民主党などを担当した。2004年から政治担当の解説委員となり、『日曜討論』などの番組に出演。2018年退局後は、日本国際放送代表取締役社長などを経て、2022年6月からフリージャーナリスト。

※週刊ポスト2023年8月4日号

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