さらに加賀氏は、「湿度が高い夏場は布団の中の温度や湿度を示す『寝床内気象』にも注意しましょう」と続ける。
「快眠に適した寝床内気象は気温33℃、湿度50%です。パジャマや寝具の素材によっては熱がこもって寝床内気象が高温多湿状態になり、不快感で寝苦しくなりやすい。吸水性のある綿のパジャマや肌着、布団がベストです。手軽な方法として、敷布団やマットレスの下に段ボールを敷くことでも段ボールの吸湿性で除湿効果を期待できると考えられます」(加賀氏)
それらを試したうえで、悩み事などメンタル上の問題で寝つけないと考えられる場合は呼吸法を工夫するのがいいという。
「4秒かけてゆっくり鼻から息を吸い、7秒間息を止め、8秒かけてすぼめた口からゆっくり息を吐く『4・7・8呼吸法』を繰り返すと眠りに集中し、ネガティブな考えを頭から追い払う効果を望めます。とりあえず寝てしまうことが、体内リズムを整えて快眠のサイクルを作ることにつながるのです」(加賀氏)
お金をかけなくても快眠できる。まずは、眠りのメカニズムを知ることだ。
※週刊ポスト2023年8月11日号