そして、杉と黒岩知事の懇談の話題は、心身共に元気に生きるための体づくりへ。そこで杉は、自身が2020年に立ち上げた「ダンス健康クラブ」について語り始めた。
「年を重ねてもお医者さんの世話にならずに元気で長生きできることを目指して、65才以上を集めたダンスチームを作りました。現在は全国で約450人が活動し、最高齢90才までが溌剌とヒップホップダンスを踊っています。
この9月2日には横浜市のKAAT 神奈川芸術劇場で『FIDA GOLD CUP2023』大会が行われます。全国26チームのうち13チームの精鋭が集まり、出場するダンサーの平均年齢は70才。神奈川県からも出場しますよ」
大会タイトルにある「GOLD」とは、活動するメンバーを形容している。“Good OLD=古き良き/良い形で年を重ねている”の意味がこめられ、ダンス健康クラブでは65才以上を「シニア」ではなく、敬意を込めて「GOLD世代」と呼んでいる。
「私自身が4年前に後期高齢者になってみて感じましたが、年を取ると根気はなくなるし、体を動かすなんて面倒でとんでもない。ところがダンスのメンバーは飛び抜けてパワフルなんです。ストリートダンスのステップを覚えて踊ろうという意欲が若々しいし、会えば、中高生のようなエネルギーで“キャア~!”と駆け寄ってきます。
ステージに立って踊ることで日常でも人目を意識するようになり、老化が進まないようです。若返っている印象すらあります。私も触発されて、つま先立ちで踵を上下する運動とスクワットを、毎日100回するようになりました」(杉)
実は神奈川県の高齢化率は2015年に国勢調査開始以来最高値となる23.9%をマークし、全国平均を上回る速度で超高齢化社会へ突き進んでいる。
高齢者の健康長寿は、県が抱える喫緊の課題でもあるのだ。