9月13日、記者会見する自民党の小渕優子氏(時事通信フォト)

9月13日、記者会見する自民党の小渕優子氏(時事通信フォト)

 女性は世襲でないと役職につけないのか。いや、違う。そこは男女ともに世襲議員が圧倒的に有利な世界なのだろう。自民党では。少なくとも、私にはそう見える。

 外務大臣に任命された上川陽子氏は世襲議員ではない。法務大臣を三度務勤め、在任中はオウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚ら13人の死刑を執行した。2018年の西日本豪雨の最中に行われた自民党議員たちの宴席「自民亭」では女将的ポジションだったそう。(松本智津夫の死刑が執行されたのは、あの宴会の翌日だ)このことに加えて、私は死刑制度は止めるべきだと思っているので、政治家として支持したくはない。けれど、やたらと外国に金をバラ巻き、いや失礼、資金援助をしたがる岸田総理にとって外務大臣は大切なポジションだで、そこに女性がつくのは喜ばしい。彼女は、「女性ならではの視点を、組織のあり方や働き方改革にいかしていきたい」と語ったそうだ。こういう場合の「女性ならでは」は納得できる。もっと女性が組織で活躍できるように、結婚や出産をしても働きやすいように、その視点をいかしてもらいたいと思う。

 女性が政治の世界できちんと居場所を持って活躍することと、女性ならではの感性、共感力などといったあいまいな「らしさ」を期待されることはまったく別のことだ。真逆と言っていい。本心で「女性活躍」を思っていない昭和的思考の人々にはそれがわからないようだが。

 小さな小さな小さな小さな(しつこい。笑)前進を後戻りさせないように願うばかりだ。

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