小渕優子一覧

【小渕優子】に関するニュースを集めたページです。

4年近くにわたって“立法も質問主意書もゼロ”だった人たちは?(時事通信フォト)
4年間の活動で“立法も質問主意書もゼロ”国会議員たちの「言い分」
 参院選が迫る中、有権者が知っておきたいのは「国会議員がどれだけ仕事をしているか」だ。本誌・週刊ポストは、『データ分析読解の技術』(中公新書ラクレ)の著書がある政治学者・菅原琢氏が運営する『国会議員白書』サイトのデータをもとに、全衆院議員の「質問主意書提出数」「本会議と委員会での質問回数(発言数)」の2項目を、加えて「議員立法数」を客観的に集計し、各議員の国会での仕事ぶりを調べた。その結果、いずれの項目ゼロだった「オールゼロ」の国会議員は10人いたことがわかった。彼らの言い分を紹介しよう。 なお、集計の対象期間は衆院議員としての前回の任期(衆院選投票日の2017年10月22日から、2021年10月14日の衆院解散で失職するまで)だ。その間、通常国会4回、臨時国会が7回、合わせて11回の国会が開かれていた。 その4年近くにわたって「オールゼロ」だった10人の顔触れを見ると、自民党では甘利明・前自民党幹事長、石破茂・元幹事長、森山裕・総務会長代行、野党は旧自由党党首で立憲民主党の結党に参加した小沢一郎氏など大物議員やベテランが目立つ。 続くのはかつての「民主党のホープ」で昨年の総選挙後に自民党入りした細野豪志氏、さらに自民党の「将来の総裁候補」と嘱望されている小渕優子・元経産相、林芳正・外相、下村博文・元文科相が揃ってランクインしているのには驚かされる。 では、各議員の言い分を聞こう(各議員の回答は別掲の表参照)。 まず自民党の森山氏だ。「私は国対委員長を務めたので、国対の議員は普通質問には立たない慣例がある。質問主意書は野党が出すものでしょう。与党なので出していない」 自民党は野党議員が多くの質問主意書を出すことを「役所の業務に支障をきたす」と批判してきた。だが、国会での質問機会に限りがある以上、与党でも野党でも質問主意書は政府の見解を質す重要な手段のはずだ。 自民党反主流派の論客として知られる村上誠一郎氏の説明は興味深い。「当選回数が多くなると、国会質問は若手に譲るという慣例がある。注目される機会をつくってあげようということ。それと私自身は10年間も党総務会に籍を置き、毎週火・金に政策について議論をし、自民党執行部に意見を申し上げている。加えて言うと、私自身は正論を述べるので、選挙前になるとそうした質問者は党が出したがらないということもあると思う」 細野氏は、別の事情で質問機会が与えられなかったという。「無所属だった期間が長く、(本会議や委員会での)質問の機会がなかった。予算委員会の分科会や憲法審査会で発言を行なっている」(事務所回答) 自民党若手議員の深澤陽一・厚生労働政務官の場合、2020年4月の補欠選挙で当選し、対象期間に議員に在職していたのは1年5か月と短いという事情がある。「基本的には1回の国会で5回質問をしている。名前を載せられるのは心外です」(事務所回答) もちろん、議員の活動は3項目だけではない。自民党なら政務調査会や総務会で法案や予算、税制の党内審査などを行なっている。石破氏も、「各種議員連盟の活動や党政務調査会での活動なども加味していただけると、さらに精度が上がるのではないかと思います」と回答した。『国会議員白書』のサイト運営者・菅原氏はこう指摘する。「国会議員の役割は広く、有権者に代わって政治を行なうことが期待される。国会活動が多少疎かに見えても、それ以外の部分で働いていれば問題視されないというのはその通りですが、国会活動が可視化されていない状況では、国会中継される予算委員会など一部の質疑、大臣や委員長、幹事長や政調会長といった政府、議会、政党の肩書きで政治家の働きが評価されるところがある。しかし、そうした議員は一部で、大部分は重要な役職に就いていない。だから国会活動のデータを加えることで、国会で地道に活動をしている議員や重要な役職ではないのに国会でも活動していない議員を抽出できます」自由に質問できない 自民党では2012年総選挙で大量に初当選した議員たちの不祥事が相次ぎ、“魔の3回生”と呼ばれたが、多くは現在4回生の中堅議員になった。 若手議員は国会論戦で揉まれることで政治家として成長していく。だが、国会には質問時間が野党に多く配分される慣行があり、与党議員には質問機会が回ってこない。そのため、菅原氏が指摘するような「重要な役職に就いていないのに国会でも活動していない議員」が生まれることになる。 旧民主党の事務局長を務めた政治アナリスト・伊藤惇夫氏が指摘する。「委員会などの国会質問時間は概ね与党2対野党8の比率となっています。野党のほうが多いのは、政権与党は政府法案をまとめる際、事前に政務調査会の部会などで議論してから国会に提出する。与党は党内で議論を済ませているから、国会では野党のほうにじっくり質問の機会を与えるという建前です。しかし、安倍長期政権以来、自民党は官邸主導で政策を決めて党内の異論を封じ込める傾向が強まった。 昔の自民党は主流派、反主流派が互いに違う政策を掲げて国会で議論を戦わせていたが、今は自民党議員が国会で質問に立っても、基本的に批判的な質問をさせないようになっています。国会で自由に質問できないということは、やることがないから当然国会議員の質は低下してしまう」 自民党反主流派の村上氏の「正論を言う質問者は党が出したがらない」という説明とも符合する。 その結果、多額の国費をもらいながら、国会での仕事もせず、不祥事を起こす“シロアリ議員”が後を絶たないのだ。※週刊ポスト2022年5月27日号
2022.05.20 16:00
週刊ポスト
与野党の議員たちが今国会でやっていることは…(時事通信フォト)
働かない国会議員27人リスト 立法機関なのに「立法ゼロ」「質問主意書もゼロ」
 国会は会期末まで残り1か月、各党は早くも参院選に向けて走りだした。だが、国民は不安がいっぱいだ。ウクライナ戦争で物価は高騰、オミクロン株も都市部で再拡大の兆しがあり、中国のロックダウンで物流がストップ。今後、日本経済への影響が一層深刻化すると予測されている。 国会でなすべきことはいっぱいあるはずなのだ。 それなのに、与野党の議員たちが今国会でやったことは、「国民の生活」を守るより、自分たちの“役得給料”を守ることだ。 大型連休前の4月15日、国会議員の“第2の給料”と批判される「文書通信交通滞在費」(文通費)の改正案が共産党を除く各党の賛成で成立した。 改正のきっかけは昨年の総選挙(10月31日投開票)で当選した新人議員に、在職1日で文通費100万円(10月分)がそっくり支給され、「1日で100万円のぼったくり」と国民の批判が高まったことだ。文通費は渡しきりで、使途の公表は義務づけられていないから事実上使い放題だ。 思い出していただきたい。通常国会の冒頭、各党は口々に「使途公表」や使い残したお金の「国庫返納」といった法改正案を主張していた。だが、成立した改正案を見ると当選した月の支給額を「日割り計算」にする改正だけで、使途の公表も、国庫返納も盛り込まれていない。逆に、名称が文通費から「調査研究広報滞在費」と変わり、従来なら目的外の「調査研究、広報、国民との交流」にも使えることになった。 とんだ焼け太りではないか。このまま参院選に突入するなど国民への裏切りである。 国会議員にはこの「調査研究広報滞在費」や議員歳費(給料)、立法事務費、政党交付金、公設秘書3人の給料、無料の議員会館や格安議員宿舎など、国から与えられる便益の総額は1人あたり年間1億円を軽く超えるとされる。全部税金だ。 では、そもそも議員たちはそれに見合った仕事をしているのか。 国会議員の仕事は、第一に国会で政策を議論し、必要な法律をつくる(改正する)ことだ。「どぶ板」と呼ばれる選挙対策の地元回りは国会議員が税金を使って行なう「公務」ではない。総理大臣も、選挙の遊説の移動の際は公用車を使わないと峻別する仕組みがあるが、とくに若手議員には地元の選挙活動が「国会議員の仕事」だと勘違いしているケースが少なくない。 そこで本誌・週刊ポストは、「政治過程論」が専門で『データ分析読解の技術』(中公新書ラクレ)の著書がある政治学者・菅原琢氏が運営する『国会議員白書』サイトで公表されているデータをもとに、全衆院議員の「質問主意書提出数」「本会議と委員会での質問回数(発言数)」の2項目を、また「日本法令索引」をもとに「議員立法数」を客観的に集計し、各議員の国会での仕事ぶりを調べた。菅原氏が語る。「有権者は選挙区から選ばれた議員が国会でどんな仕事をしているか簡単に調べることはできません。国会の議事録などの情報はネットで公開されていても、議員ごとにまとめられているわけではないので、他の議員との比較も難しい。それを肩代わりしたのが『国会議員白書』です。有権者には自分の投票した議員の仕事ぶりを確認することができ、次の投票の参考にできます。真面目に活動している議員も、国会での活動が整理されていると励みになるし、活動が低調な議員へのプレッシャーにもなる」 集計の対象期間は衆院議員としての前回の任期(衆院選投票日の2017年10月22日から、2021年10月14日の衆院解散で失職するまで)だ。その間、通常国会4回、臨時国会が7回、合わせて11回の国会が開かれており、2017年総選挙で有権者から受けた負託に対し、どのくらい仕事をしたかの目安になる。昨年10月の総選挙後の質問数や議員立法数は任期途中なので集計に含めていない。 集計結果をランキングにした結果、議員立法数や質問主意書提出数がゼロの議員は数多かったが、加えて国会質問が5回以下(11回開かれた国会の半分も質問していない)なのは27人だった。所属政党の内訳は自民25人、野党2人。ただし、落選した元議員は除外した。 別表でその立法数や質問主意書の数などをまとめているが、ここでは27人の名前を紹介しよう(グループごとに五十音順)。【本会議+委員会発言がゼロ】甘利明氏、石破茂氏、衛藤征士郎氏、小沢一郎氏、小泉龍司氏、後藤田正純氏、中村喜四郎氏、村上誠一郎氏、森山裕氏、山本有二氏、塩谷立氏【本会議+委員会発言が1回】細野豪志氏、森英介氏【本会議+委員会発言が2回】小渕優子氏、薗浦健太郎氏、額賀福志郎氏、林幹雄氏、林芳正氏【本会議+委員会発言が3回】下村博文氏、宮澤博行氏【本会議+委員会発言が4回】木原稔氏、冨樫博之氏、二階俊博氏、浜田靖一氏、藤丸敏氏【本会議+委員会発言が5回】今村雅弘氏、深澤陽一氏※週刊ポスト2022年5月27日号
2022.05.19 19:00
週刊ポスト
野田聖子・子ども政策担当相にノンフィクションライターの常井健一氏がインタビュー
野田聖子独白70分 総理をめざす女たちの「悪名」と「宿命」
 日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第3弾に登場するのは、過去に何度も断念した自民党総裁選に昨年やっと出馬を果たした野田聖子・男女共同参画担当相(61)だ。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。第1弾(高市早苗氏)、第2弾(稲田朋美氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。【全5回の第1回】竹下登氏「悪名は無名に勝る」──今日は週刊誌のインタビューです。「ですね。ずいぶん私も叩かれてきましたけど」──(この記事が載る)『週刊ポスト』ですか?「他の週刊誌なんですけど、記者さんに『野田聖子と小渕優子の名前が出ると売れるんですよ』って言われたことがあります。もう、女性議員は面白おかしく叩かれる対象なので、自分たちの宿命なんだと納得するようにしています」──そういう感覚って、先輩の誰かに教えてもらえるものなんですか。「一年生議員の時に、生前の竹下登先生からいただいた言葉がずうっと自分の軸になっているんですけど、一つは『悪名は無名に勝る』。埋没することは永田町では死に等しいということ。もう一つは、『数字で勝負しろ』。女は子宮でモノを考えているというのが世間一般の理解だから、男の人たちにバカにされないように統計をもとに政策で押していけということ。少子化問題も、グラフを見れば一目瞭然なんだけど、みんな何となく気合いだ、気合いだの政治家が多い。私は数字を追いかけながら、法案を組み立ててきました。気合いよりも実務で見せる。だから、かわいげがないの(笑)」──来年で初当選から30年を迎えますが、悪名をも「宿命」と受け止められるようになったのは、いつ頃からですか?「子どもを産んだ頃かな。50歳で産みましたから、10年ぐらい前。子育てしていたら、些事に構っていられなくなった。まあ、やむを得ないんですよ。女性は数が少ないから、どうしても目立ってしまう。だから、大臣になれるのも早いということもあるかもしれないけれど、その分、攻撃される。男性の地味な議員だったら話題にならないことでも、女性だと記事に書かれやすい。そこは、もう天秤にかけて、数が少ないから仕方ないというのが帰結ですよね」──それは、30年間変わってないですか?「全然変わってないです。いまだに昭和。昭和って相当ディープなんだと思います。昭和の価値観が日本社会の随所にいまだに色濃く残っている。それで、若い男性も苦しんでいると思う」──「昭和」に苦しんでいるのは女だけでない?「うん。たとえば、男性が育休を取りにくい空気とか、そもそもパワハラなんて、昭和にあった上下関係の名残りですよね」──現在は内閣府の大臣ですが、役所も「昭和」のままですか?「割とみんなテレワークを活用しています。こないだも私の秘書官の娘さんが受験直前で、父親としてコロナ予防をするためにリモートで出勤していました。大臣室のスタッフも24時間、365日、大臣のそばにいなきゃいけないという時代ではなくなってきています。 事務所に出れば、いい仕事ができるわけでもないから、男性も女性も仕事量を半分くらいにしていいと思うんですよ。それをはばむ壁が、『昭和』という名の岩盤の上にあるのかな。そこがポコッと割れれば、一気に流動性が生まれる。もう、小泉純一郎顔負けの構造改革ができる」──自民党こそ「昭和」。そこで野田さんが党内で訴えてきた「ジェンダー平等」という概念も、以前よりは浸透してきました。「男の人たちの間にも、少子化が安全保障上の危機であり、ジェンダー不平等は国家の危機だという理解がだいぶ広がりました。私が小渕恵三内閣で郵政相だった時、経済企画庁長官が作家の堺屋太一さんだったんです。その当時、すごくかわいがってくれて、『聖子ちゃん、ウソも100回言うとホントになるよ』と教えてもらいました。ホントのことだけれど30年間言い続けて、今、やっと聞き入れられるようになってきた。──逆に、30年も聞き入れられなかった……。「つい最近ですよね。今でも実態は聞き入れられてなくて、直近の衆院選挙でも自民党の初当選者は30人以上もいたのに女性はゼロ(※参院から鞍替えした2人を除く)。他党も女性が減ったし、こんどの参院選挙の候補予定者も女性がめっちゃ少ない。自民党もまったく変わってないなっていう感じですよね。 まあ、まだまだですけど、出産や子育てとか、母子福祉的な話を男性でも恥ずかしがらずに言えるようになってきた。入り口に来た感じがします。たとえばね、自民党の若手に『ミスター生理』がいるの」──え!?「宮路拓馬君(内閣府政務官)。すごいですよ」(第2回につづく)【プロフィール】野田聖子(のだ・せいこ)/1960年、福岡県生まれ。上智大学外国語学部比較文化学科卒業後、帝国ホテルに入社。1987年、岐阜県議会議員(当時最年少)に。1993年、衆議院議員に初当選。その後、郵政大臣、総務大臣、女性活躍担当大臣、マイナンバー制度担当大臣、幹事長代行などを歴任。現在は、男女共同参画担当大臣。衆院岐阜1区選出、当選10回。【インタビュアー・構成】常井健一(とこい・けんいち)/1979年茨城県生まれ。朝日新聞出版などを経て、フリーに。数々の独占告白を手掛け、粘り強い政界取材に定評がある。『地方選』(角川書店)、『無敗の男』(文藝春秋)など著書多数。政治家の妻や女性議員たちの“生きづらさ”に迫った最新刊『おもちゃ 河井案里との対話』(同前)が好評発売中。※週刊ポスト2022年4月8・15日号
2022.03.28 07:00
週刊ポスト
小渕優子、杉田水脈氏ら不祥事・失言を重ねても当選した問題議員7人
小渕優子、杉田水脈氏ら不祥事・失言を重ねても当選した問題議員7人
 不祥事や言動を問題視された政治家は、選挙中は有権者にペコペコするが、当選すれば「禊ぎは済んだ」と開き直るのが常だ。今回の総選挙でも、そういった問題議員が議席を確保した。 萩生田光一・経産相はコロナ自粛中に会合や飲み会を行なっていたことが批判され、梶山弘志・幹事長代行は経産相時代に持続化給付金の“中抜き問題”で監督責任を問われたが、いずれも総選挙では大差で勝利。 甘利明氏と同じように政治資金スキャンダルにまみれても、小渕優子・組織運動本部長は連続当選を重ね、今回は次点の3倍以上の得票で圧勝した。「銀座豪遊3人衆」のうち、田野瀬太道・元文科副大臣だけは当選し、自民党に追加公認されて復党も決まった。こうしてコロナ失政や不祥事議員たちは生き残った。 いずれの選挙区も有権者の怒りがなかったわけではないだろう。共通するのは「落選運動」が効果をあげにくい選挙区という点だ。 小渕氏や梶山氏、田野瀬氏の選挙区は世襲で受け継いだ強い保守地盤であり、有力野党は“どうせ勝てないから”と候補者を立てない。有権者に選択肢を与えず、「落選運動」を妨害しているのは野党に責任がある。 比例単独で当選した議員にも「落選運動」の怒りの1票は届きにくい。「(東日本大震災が)まだ東北で良かった」と発言した今村雅弘・元復興相は九州ブロックの比例名簿単独1位、「女性はいくらでもウソをつける」の失言女王・杉田水脈氏は中国ブロックの比例名簿順位19位で当選。安倍元首相の実弟、岸信夫・防衛相は党本部に、〈本候補(杉田氏のこと)の名簿上位搭載にご配慮をいただきますよう、強くお願い申し上げます〉と文書で申し入れていた(ジャーナリスト・相澤冬樹氏によるNEWSポストセブン既報)。政治学者の岩井奉信・日本大学法学部教授はこう話す。「名簿順位が重複立候補する選挙区候補より下であれば、同じブロックの選挙区で落選させることで比例単独候補の当選可能性を下げることは可能だが、名簿上位の候補には通用しない」 だから名簿順位を上げてもらうために党内実力者の顔色だけをうかがい、有権者に心ない発言を続ける政治家が増えるのだ。 そんな議員には、同じブロックの選挙区候補を落選させ、比例単独候補を名簿上位にする余裕をなくさせるしかない。※週刊ポスト2021年11月19・26日号
2021.11.11 07:00
週刊ポスト
小渕
小渕優子氏の関係者「甘利幹事長のおかげで批判少なく済んだ」と安堵
 岸田文雄・自民党新総裁による党役員人事に、「露骨な論功行賞」「長老たちの言いなり」といった批判が巻き起こっている。なかでも集中砲火を浴びているのが総裁選で岸田氏の選対本部顧問を務めた甘利明氏の幹事長起用だ。 2016年に発覚して閣僚辞任につながった建設業者からの金銭授受問題について、甘利氏は10月1日に行なった会見で「お騒がせしたことをおわびする。この事件に関して事情を全く知らされていない。寝耳に水だ」と釈明したが、「説明責任が果たされていない」との批判は消えない。 その一方、同じ金銭疑惑を抱えながらあまりクローズアップされていないのが、組織運動本部長に就いた小渕優子氏だ。経産相だった2014年、関係する政治団体が主催した観劇ツアーの支出が収入を大幅に上回ったことが発覚。閣僚辞任に追い込まれたが、甘利氏に比べると今回の起用への批判は目立たない。 ネット上では、関係先が家宅捜索された際、書類などを保存していたとみられるパソコンがドリルで穴を開けて破壊されていたことから「ドリル優子」と揶揄されているが、メディアによる批判は一部が甘利氏と並んで懸念を伝えた程度。これに胸を撫で下ろしているのが、彼女の所属する竹下派の関係者だ。「甘利幹事長のおかげです。河野太郎さんが所属する麻生派にありながら、岸田さんを全面支援して幹事長を勝ち取った甘利さんの論功行賞はあまりに露骨。竹下派も岸田さんを直前で支持することにしたものの、その印象は強くありません。それに組織運動本部長というポストは党四役に比べると目立たないため、メディアも取り上げいくかったのでしょう」 かつて竹下派を率いて総理総裁となった故・小渕恵三氏を父に持つ優子氏は、「竹下派のプリンセス」と呼ばれてきた。女性初の経産相まで務めた彼女にとって組織運動本部長はそれほどの重要ポストとは言えないが、2014年の大臣辞任以降、雌伏の時を経て、組織運動本部長代理、選対委員長代行、そして今回の組織運動本部長と着実にカムバックの階段を登ってきた。「優子さんは竹下派にとってもっとも大切にすべき存在です。今も事実上の派閥オーナーである青木幹雄さんは、小渕恵三さんが総理の時代に官房長官として支え、2000年に恵三さんが脳梗塞で在任中に急逝したことに無念の思いがある。だからこそ、青木さんは“いつか竹下派をもう一度小渕派に戻して、優子さんを総理にするのが自らの最後の務めだ”と公言してはばからない。  派閥を率いてきた竹下亘さんが亡くなって、茂木(敏充)さんか加藤(勝信)さんが跡を継ぐと言われていますが、どちらになってもワンポイントで、いずれは優子さんに“大政奉還”されることになるのではないでしょうか。 今後、組織運動本部長として着実に結果を残せば、次は党四役が見えてくる。彼女は勉強熱心だし気配りも効く。何よりスキャンダルがあっても圧倒的な大差で選挙を勝ち抜いてきた強さがある。飛躍の時は案外近いかもしれません」(同前) 今回の総裁選では高市早苗氏、野田聖子氏と史上初めて2人の女性候補が並び話題を呼んだが、初の女性総理の本命は彼女かもしれない。
2021.10.04 16:00
NEWSポストセブン
甘利明、小渕優子、高木毅氏ら禊ぎが済んでない醜聞議員6人
甘利明、小渕優子、高木毅氏ら禊ぎが済んでない醜聞議員6人
 政権がコロナに苦しむ人々の声を無視し、政治を私物化するのは権力の暴走だ。それを止めるには国民が“武器”を取って立ち上がるしかない。民主国家で国民に認められた最も強力な武器こそ、「落選運動」である。 憲法学者の上脇博之・神戸学院大学法科大学院教授が語る。「落選運動とは問題のある政治家を当選させたくないという表現活動であり、憲法で保障されている表現の自由、言論の自由に含まれる。民主主義において権力の暴走に歯止めをかける方法として可能性を秘めている。 選挙期間外でも運動できるし、年齢制限もなく、SNSやメールでの運動ができるその「落選運動リスト」にあげられる類の人々は、スキャンダル大臣たちである。 昨年の参院選で多額の現金を配った選挙買収容疑で逮捕された河井克行・前法相と妻の案里夫妻、香典問題で閣僚を辞任した菅原一秀・前経産相はいずれも安倍首相や菅義偉・官房長官の側近として重用されてきた政治家だ。 共通するのはスキャンダル発覚後も、一切、国民に対する説明責任を果たさずに逃げ回ったことである。政治評論家の小林吉弥氏が指摘する。「安倍政権の足かけ8年間の政治で際立っていたのは透明感のなさです。首相自身、森友・加計問題や桜を見る会問題で説明責任を果たしていない。不祥事を起こした大臣も同じです。国民と向き合わずに逃げるということは、国会議員としての資格がないということ。それが罷り通ってしまうことが、国民の政治不信を深めている」 スキャンダルで辞任した大臣たちは、決まって国会に出席せずにほとぼりがさめるまで身を隠し、こっそり選挙で勝ち上がると「禊ぎは済んだ」とばかりに大手を振って復帰する。安倍首相はそんなお友達を重要ポストに起用する。 だから政権の自浄作用が働かず、スキャンダル大臣が拡大生産されてきた。 大臣室で陳情に来た業者から現金を受け取った甘利明・元経済再生相、後援会の観劇ツアーなど政治資金事件を起こし、挙句の果てには秘書が証拠隠滅のためにドリルでPCのハードディスクを破壊した小渕優子・元経産相、そして下着泥棒疑惑で“パンツ大臣”と呼ばれた高木毅・元復興相らかつてのスキャンダル大臣たちは国民に説明責任を果たさないまま出世している。「起訴されなかったからといって完全なシロではない。政治責任は問われるべきです」(小林氏) その責任は落選運動で問う以外にない。忘れてはならないのが無能をさらした失言大臣たちだ。「USBは穴に入れるらしいですけれども、わからないので、官僚に聞いてください」 サイバーセキュリティ担当だった桜田義孝・元五輪相の“歴史に残る迷答弁”はまだ記憶に新しいが、安倍首相は「適材適所」といいながら不適任な情実人事が多い。能力不足の大臣がいると本人以上に国民生活に重大な影響が出ることをコロナ対応で有権者は思い知らされた。 主な失言政治家6人は別表にまとめたが、今後の日本政治のために、お引き取り願ったほうがいい。東日本大震災について「まだ東北で良かった」と発言した今村雅弘・元復興大臣や、北方領土返還を巡り「戦争しないとどうしようもなくないですか」などと発言した丸山穂高氏(現・NHKから国民を守る党)などを思い出すだろう。※週刊ポスト2020年8月14・21日号
2020.08.07 16:00
週刊ポスト
運もあった(時事通信フォト)
安倍政権、7年半の不祥事を振り返るとこんなにあった
 7年半続いた安倍政権の終わりと、新しい時代の始まりが近づいている。新型コロナ流行は、瞬く間に安倍政権を“オワコン”に変えた。いまこそ、政治の中枢で何が起きているのか、私たちはしっかりと目に焼き付けるべきだ。 7 年半どのような不祥事があったのか。発足から今までを振り返る。●2012年12月26日 第二次安倍政権発足●2013年6月24日 経済政策『アベノミクス』発表●2013年9月7日 五輪招致「アンダーコントロール」発言が物議東京五輪招致のための最終プレゼンにおける安倍首相のスピーチ内容が物議をかもした。東日本大震災が起きた直後であり、汚染水の流失が完全には止められていなかったにもかかわらず「The situation is under control.(状況はコントロール下にある)」と発言。「汚染水は福島第一原発の0.3k㎡の港湾内に完全にブロックされている」など過剰かつ軽率な「安全アピール」に批判が集まった。●2013年12月6日 特定秘密保護法の強行採決国の安全保障にかかわる重要な秘密を漏らした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法が採決されるが、「知る権利を侵害される」など野党から批判が起きた。しかし、最終的に強行採決を行った。●2014年4月1日 消費税を8%に引き上げ●2014年10月20日 小渕優子経産大臣が違法献金で辞職小渕優子経産大臣の後援会バス旅行をめぐる不透明な会計処理が発覚し、辞職。データなどを保存するハードディスクが捜索以前に電動ドリルで物理的に破壊された隠蔽工作も話題に。元秘書が有罪。●2014年10月20日 松島みどり法務大臣が「うちわ」問題で辞職自身のイラストや名前が入ったうちわを選挙区内で配ったことが寄付行為にあたると国会で追及され、安倍首相に辞表を提出した。●2015年7月15日 安全保障関連法案強行採決「違憲だ」という憲法学者の声もあり、世論調査でも6割が反対するなか、安全保障関連法案が強行採決された。これにより、集団的自衛権の行使を容認し、米軍の護衛が可能になった。●2016年1月1日 マイナンバー制度開始●2016年1月28日 甘利明経済再生大臣が「口利き」疑惑で辞職千葉県の建設会社「薩摩興業」が土地買い取りをめぐって甘利経再大臣に都市再生機構(UR)に対する口利きを依頼し、見返りに総額1200万円を現金や接待で提供したとされる事件。甘利氏も秘書も不起訴となった。●2016年7月22日 伊藤詩織さん事件で山口敬之氏不起訴「安倍晋三首相に最も近いジャーナリスト」といわれた元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(54才)が就職相談したフリージャーナリストの伊藤詩織さんに性的暴行を加えたとして被害届が出されていたものの、不逮捕および不起訴という結果に。●2017年2月17日 森友問題発覚森友学園が大阪の国有地を適正価格の1割程度で購入していたこと、また同学の名誉校長が安倍昭恵夫人であることが報道されるが、首相は関与を否定。「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べていた。●2017年4月26日 今村雅弘復興担当大臣が失言で辞職政治関係者が集まるパーティーでの挨拶において、東日本大震災の被害状況について説明した中で「これはまだ東北で、あっちの方だったからよかった。これがもっと首都圏に近かったりすると、甚大な被害があったと思う」と述べ、批判を浴びる。翌日、不適切発言の責任を取る形で辞職した。●2017年5月17日 加計学園「総理のご意向」文書報道朝日新聞が「これは総理のご意向」等と記された加計学園の獣医学部新設計画に関する文部科学省の文書の存在を報道。●2017年7月28日 南スーダンPKO日報隠蔽問題2012年から5年にわたって派遣された南スーダンへのPKOの日報について防衛省は当初、陸上自衛隊が廃棄したと説明していたが、実際には電子データが保管されていたことが判明。意図的に隠蔽したのではないかという疑惑が持ち上がる。真相はうやむやのまま、稲田朋美防衛大臣が辞職する形で幕引きとされた。●2018年3月7日 近畿財務局の男性職員が自殺森友問題の文書改ざんを指示された近畿財務局の男性職員の赤木俊夫さんが自筆の抗議文書を残して自殺。後にその内容を夫人が公開し、訴訟に。●2018年7月14日 「赤坂自民亭」が炎上西日本の大水害で11万人に避難指示が出される中、東京・赤坂の衆院議員宿舎で自民党国会議員の懇親会「赤坂自民亭」が開かれ、安倍首相や小野寺五典防衛相、岸田文雄政調会長、竹下亘総務会長ら40人以上が顔をそろえた。ツイッターに写真がアップされたことで、国民から大きな批判を浴びた。●2019年4月10日 桜田義孝五輪担当大臣が失言で辞任東日本大震災の被災地である東北ブロック選出の高橋比奈子衆議院議員のパーティーで、「復興以上に大事なのが高橋議員だ」と述べ、責任をとる形で辞職。桜田大臣は過去にも池江璃花子選手の白血病が発覚した際「がっかりしている」とコメントするなどの失言が目立っていた。●2019年11月18日 「桜を見る会」問題安倍内閣になって「桜を見る会」の支出金額が急増し、予算の3倍になったほか、安倍首相や昭恵夫人の関係者が数多く招待され、反社会的勢力も来場していたことも発覚。招待基準の不透明さについて批判が噴出した。招待者の内訳に関する調査記録を野党が要求したが、その直後に役所が招待者名簿をシュレッダーにかけていたことが判明した。加えて会前夜に安倍首相後援会の主催で夕食会が開かれ、その支出をめぐり公職選挙法や政治資金規正法違反が指摘されている。●2020年4月7日 緊急事態宣言発令●2020年5月21日 黒川弘務東京高検検事長辞任産経新聞記者や朝日新聞社員と外出自粛期間中に賭け麻雀をしていたという週刊文春の報道を受けて、黒川検事長が辞任。検察庁法改正案に国民の批判が高まる中での出来事だった。●2020年5月28日 持続化給付金事業の電通中抜き疑惑コロナで困窮する中小企業や個人事業主を救済するための「持続化給付金事業」において電通が104億円にのぼる“中抜き”を行っていたという疑惑が浮上。●2020年6月18日 河井前法務大臣・案里夫妻が逮捕※女性セブン2020年7月23日号
2020.07.15 16:00
女性セブン
国民の記憶には残っています(時事通信フォト)
桜を見る会 ブーメランで襲いかかる安倍首相の過去の言葉
 総理主催の「桜を見る会」問題では、自民党内に「いずれ野党の方に批判のブーメランがいく」との楽観的な見方がある。 しかし、ブーメランが飛んで来るのは、「投げた本人」である。「誇り高き」安倍晋三・首相はこれまで政敵を激しく論難し、不祥事を起こした大臣にも厳しい戒めの言葉をぶつけてきた。それがいまや苦しい言い逃れをしては新事実が発覚してボロを出し、説明を二転三転させている。過去の言葉が旋回して襲いかかるのは首相自身に対してなのだ。「『民主党は息を吐く様に嘘をつく』との批評が聞こえてきそうです」(首相のフェイスブックより) 安倍首相は桜を見る会に地元後援会のメンバーを約850人も招待し、国費で有権者を“接待”していたのではないかと追及されると、「私は主催者として挨拶や接遇は行なうが、(招待客の)とりまとめには関与していない」 そう否定した。ところが、安倍事務所が参加者申し込みを受け付けていた文書が明らかになると、「内閣官房では、総理、副総理、そして官房長官、官房副長官からの推薦を長年の慣行で受けていたということでございまして、その中で私の事務所も対応していたということであります」と一転、関与を認めた。“安倍さんも息を吐く様に嘘をつく”との批評が聞こえてきそうだ。 昨年2月の国会答弁で安倍首相はこう言い放った。「籠池さん、真っ赤な嘘、嘘八百ではありませんか」。 桜を見る会について、参院本会議で首相は自ら招待者選びに関わっていたことを隠せなくなった。「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」。関与していないという説明は、“真っ赤な嘘”ではないか。「哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳。予想通りでした」(フェイスブックでの投稿)。森友問題をめぐる報道の検証記事に安倍首相はそんなコメントを残していた。 首相は桜を見る会の前日にホテルで後援会の参加者を集めて開いた前夜祭が問題化すると、「事務所や後援会としての収入、支出はない」「明細書はない」と“安倍さんらしい惨めな言い訳”に追われている。「政治資金の問題というのは、やはり透明度を上げていくことが大切です。透明度を上げていくことによって政治への信頼を確保しなければいけない」(2007年参院選の党首討論会) 前夜祭パーティ問題では、安倍首相は収支を政治資金収支報告書には記載しなくていいとこう強弁した。「収支報告書への記載は、政治資金規正法上、収支が発生して初めて記入義務が生じます。(中略)ホテルが領収書を出し、そこで入ったお金をそのままホテルに渡していれば、収支は発生しないわけでありますから、政治資金規正法上の違反には全く当たらない」 自分で言っていたこととは逆に、“透明度ゼロ”ではないか。 この問題については、小渕優子・元経産相が後援会観劇ツアー問題で辞任したときの安倍首相の国会答弁の言葉をそのまま贈りたい。「国民から負託を受けている国会議員として説明責任を果たしていただきたい」 そして来年の桜を見る会の開催中止だけで幕引きしようとしている安倍政権の態度には、「母や叔母」の参加で物議を醸した三原じゅん子参議院議員の言葉を借りよう。「恥を知れ」。※週刊ポスト2019年12月6日号
2019.11.28 07:00
週刊ポスト
沖縄のシンボルが一夜で焼け落ちた(時事通信フォト)
デニー玉城知事vs自民党 首里城再建の主導権争いが勃発
「本土復帰50周年の節目として事業を進めていけるよう、できるだけ前倒しで計画を策定したい」 首里城の火災を受けて11月1日、急きょ上京した沖縄県の玉城デニー知事は、官邸で菅義偉官房長官に再建への協力を求めた後、報道陣にこう述べ、2022年までに再建計画をまとめる意向を示した。 今回の火災では、デニー知事の積極的な対応が目立つ。火災があった10月31日未明は韓国に出張中だったが、日程を変更して午後には沖縄に戻り、その足で火災現場を視察すると、翌日には上京して菅長官らと面談している。 デニー知事の対応には評価の声が上がるが、一方ではその前のめりぶりに“別の思惑”が見え隠れするとみる向きもある。「デニー知事は、10月に県発注の事業を受注した業者と会食していたことが発覚し、県議会で野党の自民党から激しく追及され、『軽率な行動だった』と謝罪に追い込まれました。 自民党は12月議会でもこの問題をひき続き追及する構えでしたが、首里城の再復元に向けて奔走するのは、それをかわしたいという思いもあるのではないでしょうか。事実、知事を追及している場合ではないという雰囲気が議会のなかでも出てきています」(沖縄県議) かたや政府・自民党もデニー知事に遅れまいと動いている。11月4日には、衛藤晟一沖縄担当大臣が沖縄を訪れ、首里城の火災現場を視察した。視察後に再建計画について記者らから問われた衛藤大臣は、「(首里城の)所有権は国なので、国が責任を持ってやることが必要だ」と答え、国が主導権を持つという意志を示した。 6日には小渕優子衆議院議員を会長とする自民党の沖縄振興調査会の一行が沖縄を訪れ、火災現場を視察。その後、地元経済界から早期再建への協力を求める要請が行なわれた。「自民党が主導権を握ろうとする背景には、国が進める米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に反対姿勢を崩さないデニー知事に手柄を取らせたくないという考えもあるのだろう」(全国紙記者) 沖縄の象徴たる首里城の再建について、地元経済界の関係者はこう指摘する。「首里城の再建を制した者が、今後の沖縄を制する」 再建の裏側で、権力者の暗闘が始まっている。※週刊ポスト2019年11月22日号
2019.11.15 07:00
週刊ポスト
「竹下派のプリンセス」と言われる小渕優子氏(共同通信社)
令和の政治で注目される「初の女性総理」はいつ誕生するか
 ポスト安倍に向けた動きが喧しいが、国民の目は冷めている。となれば、発想を転換して「総理にしてはいけない政治家は誰か」―─政治のスペシャリスト30人に緊急アンケートを実施したところ(投票者1人つき3人まで回答)、1位(14票)稲田朋美氏、2位(7票)に枝野幸男氏と茂木敏充氏、4位(6票)が石原伸晃氏、岸田文雄氏、菅義偉氏となった。 令和の政治で注目されるのは、「初の女性総理」がいつ誕生するかだろう。「令和のうちに誕生してほしいと思うが、現在の女性政治家にその資格があるか甚だ疑問」 そう語るのは政治ジャーナリスト・田中良紹氏だ。 ワースト1位に選ばれた、人呼んで「タカ派のマドンナ」稲田氏は、安倍晋三首相に目をかけられ当選3回で規制改革担当相として初入閣。以来、自民党政調会長、防衛相と出世街道を走ってきたが、周知のように防衛省不祥事の迷走答弁で事実上更迭された。ところが、その後も首相の後押しで自民党総裁特別補佐兼筆頭副幹事長に抜擢され、議員連盟「女性議員飛躍の会」を立ちあげるなど“女性議員のリーダー”として再浮上している。政治学者の後房雄・愛知大学教授が指摘する。「思想的理由で安倍首相の特別な庇護を受け、首相候補に育てようと抜擢されながら、行政組織の掌握でも、社会的な説明責任の点でも、とても政府のトップの器ではないことを露呈した」 稲田氏がワースト1位なら、「竹下派のプリンセス」といわれる小渕優子・元経産相はワースト10位(4票)に入った。「小渕恵三元首相のお嬢さんとして可愛がられ、大臣を2回経験したが、1人の政治家として能力を発揮したことはない。政治資金問題ではついに説明責任を果たさなかった。総理に祭りあげられたとしても、男性の政治家の言いなりの操り人形にしかならない」(政治ジャーナリスト・野上忠興氏)「麻生太郎副総理が『あの子はお酌がべらぼうにうまいぞ』と言っていた。そういう見方をされている者が総理になってはいけない」(政治評論家・屋山太郎氏) 総裁選出馬を目指している野田聖子氏(13位)も、総務相時代に仮想通貨取引規制をめぐって金融庁に圧力をかけた問題が国会で追及されたことで大きく評価を落とした。「政策面でも保守政党人とは思えないが、報じられたスキャンダルが事実なら、総理以前に代議士としての資質が問われる」(評論家・潮匡人氏) 唯一、総裁選に出馬した経験があるのが小池百合子・東京都知事。今も「総理の座」を諦めていないと見られているが、専門家の評価では「総理にしてはいけない政治家」の7位(5票)にランクイン。「都知事選や希望の党結成で見せた勝負勘はある。しかし、勝負勘だけで令和の時代に総理になれるほど政治は甘くないし、それでも目指せば無理が生じて政治混乱を招く」(田中氏)「何のために権力の座を目指すのか。政治信条が少しも見えてこない。知事としての挫折はその証左だろう」(外交ジャーナリスト・手嶋龍一氏) どうやら女性総理誕生はまだまだ先になりそうだ。政治家は国民の批判で鍛えられる。ランキングに名前があがった中から、識者たちの批判に謙虚に耳を傾けて自分を磨き、「令和の名宰相」と呼ばれる総理は登場するだろうか。※週刊ポスト2019年5月17・24日号
2019.05.18 16:00
週刊ポスト
小泉進次郎氏は自民党の「将来のエース」とも言われるが…(時事通信フォト)
総理にしてはいけない政治家ランキング 2位に枝野氏と茂木氏
 永田町ではいよいよ「ポスト安倍」に向けた動きが喧しくなり、メディアにもさまざまな名前が取り沙汰される。だが、それを見る国民の目は冷めている。3月に行なわれた産経・FNNの世論調査では、約7割が「ポスト安倍」の具体的名前を聞かれて「いない」と答えているという現実がある。 では発想を転換し、こう問うてみるのはどうだろう。「総理にしてはいけない政治家は誰か」──政治のスペシャリストの答えからは、逆説的に「令和時代の総理の条件」が浮かび上がってきた。 令和の時代にはどんな総理が生まれ、この国をどこに向かわせるのか。 永田町では「岸破義信」(岸田文雄氏、石破茂氏、菅義偉氏、加藤勝信氏)と呼ばれるポスト安倍世代の政治家たちをはじめ、「次の次」をうかがう河野太郎氏や小泉進次郎氏、「初の女性首相候補」としては野田聖子氏、稲田朋美氏、小渕優子氏など多くの名前があがっている。 だが、政治ジャーナリストの田中良紹氏は「人材が乏しい」という。「総理になるには天の時、地の利、人の和が必要とされ、運に左右される。また、政治家は何かを契機に大化けする可能性もある。それだけに、現在の資質でその政治家の将来の可能性を判断することには抵抗があるが、令和の首相候補とされる顔ぶれを見て寂しい現実を突きつけられる」 総理となるべき資質と資格がない人物が国を率いれば新しい時代に国民は不幸になる。平成の時代に国民はさんざんそのことを思い知らされた。 そこで本誌は政治家OBや政治学者、評論家、ジャーナリストなど30人にアンケート調査し、「令和の総理にしてはいけない政治家」をあげてもらった(投票者1人つき3人まで回答)。◆しょせんはナンバー2 ダントツの票を集めたのは人呼んで「タカ派のマドンナ」、稲田朋美氏(14票)だった。 安倍首相に目をかけられ、当選3回で規制改革担当相として初入閣。以来、自民党政調会長、防衛相と出世街道を走ってきたが、周知のように防衛省不祥事の迷走答弁で事実上更迭された。ところが、その後も首相の後押しで自民党総裁特別補佐兼筆頭副幹事長に抜擢され、議員連盟「女性議員飛躍の会」を立ちあげるなど“女性議員のリーダー”として再浮上している。政治学者の後房雄・愛知大学教授が指摘する。「思想的理由で安倍首相の特別な庇護を受け、首相候補に育てようと抜擢されながら、行政組織の掌握でも、社会的な説明責任の点でも、とても政府のトップの器ではないことを露呈した」 評論家・古谷経衡氏は主義・思想面でも見るべきものはないと評した。「彼女は南京百人斬り訴訟(日中戦争時に「百人斬り」をしたと虚偽の報道をされたとして旧日本軍将校2人の遺族が毎日新聞、朝日新聞などに損害賠償などを求めた)の弁護団で一躍保守論壇の寵児になったが、その歴史観はネット右翼の範疇を出ていないように見える」 ワースト2位は同票(7票)で、枝野幸男・立憲民主党代表と茂木敏充・経済再生相。枝野氏は菅内閣の官房長官として東日本大震災の対応にあたった。「野党をまとめる能力がないのに政権運営ができるとは思えない。福島第一原発事故当時の『ただちに人体や健康に影響はない』発言を聞いた時に、国民の命と生活を守る政府のトップになってはいけない政治家だと思った」(政治ジャーナリスト・藤本順一氏) 茂木氏は自民党竹下派の会長代行で、次の総裁選への出馬が有力視されている。「政策能力はもの凄く高いが、人望がないから仲間がいない。桜田義孝・前五輪相が答弁を間違った時も閣僚席で大笑いしていたが、自分は頭がいいから他人が幼稚に見えるんだろう。人望は総理に必要な資質だが、いつの間にか備わるものではない」(政治評論家・屋山太郎氏) 奇しくも茂木氏に投票した全員が「人望」を理由に挙げた。 4位(6票)には菅義偉・官房長官、岸田文雄・政調会長、石原伸晃氏という3人の次期総理候補が並んでランクイン。ポスト安倍の最有力とみられている菅氏にも多くの注文が付いた。「安倍政権のナンバー2として、総裁選出馬する前にやるべきは安倍政治の総括。それができなければ総裁候補の資格はない」(毎日新聞客員編集委員・松田喬和氏)「しょせんはナンバー2でトップに立つ政治家ではない。政策的にも、彼が導入したふるさと納税は故郷とは無関係に物欲しさに納税させ、人間を卑しくさせた」(元参議院議員・筆坂秀世氏) 前回総裁選で出馬を見送った岸田氏には“戦わない姿勢”を疑問視する声が強い。「安倍首相からの政権禅譲が岸田の基本戦略と見える。しかし、首相とは憲法改正など政治路線が異なるのだから、戦わない者は去るべし」(外交ジャーナリスト・手嶋龍一氏) 最近出番がない石原氏がこの2人と並んで久々に登場した。「彼は何か起きたときに反応が恐ろしく鈍い。発言も軽い。オヤジ(石原慎太郎)が大きすぎて、オヤジが引っ込んだら存在感がなくなった。総理が務まる人物とは思えない」(屋山氏) 安倍首相のライバル・石破茂氏は1票差の7位(5票)で追う。「石破氏はいつも正論を言う。憲法改正でも9条2項を削除すべきとか。だが、できることを着実に進めるのが総理の重要な能力。石破氏が総理になれば正論を押し通して反発に遭い、物事が進まない。内閣は長持ちしないだろう」(ジャーナリスト・長谷川幸洋氏) ちなみに「岸破義信」のもう一人、加藤勝信・自民党総務会長(13位)は、「官僚の狡さを身につけ、厚労相時代の責任逃れのうまさには目を見張った。国益を担える人物ではない」(元経産官僚・古賀茂明氏)との評だ。 自民党内で「ポスト安倍」を目指す政治家に加え、野党第一党の党首まで上位に名を連ねるのだから、人材不足がよくわかる。※週刊ポスト2019年5月17・24日号
2019.05.08 16:00
週刊ポスト
新元号を発表する菅義偉官房長官(時事通信フォト)
「菅義偉内閣」の閣僚名簿が出回っている!
 新元号発表という「歴史的な瞬間」を国民に届け、スポットライトを浴びた菅義偉・官房長官。いつも会見で見せているポーカーフェイスが一転、元号発表当日は朝から高揚感を隠しきれない様子だった。「新時代の到来」は、菅氏、そしてそれを取り巻く永田町にも“ある変化”をもたらしていた──。 菅氏は「総理を目指さない政治家」と言われ、これまで一度も政権への意欲を見せたことはない。『総理の影―菅義偉の正体』(小学館刊)の著書があるノンフィクション作家の森功氏が語る。「菅という政治家は風貌は地味で表舞台に立って政治を行なうことが上手ではない。安倍(晋三)首相のような明るさもない。本人もそのことをよく自覚している。むしろ実務家として官僚を動かすタイプで、政権を支える官房長官を天職だと考えている。政治家になった以上、総理への野心が全くないとは思わないが、非常に慎重な人だから、今も総理・総裁を目指して動くことは考えていないと思う」 近い人物ほど同じ見方をする。 菅氏が「影の総理」と呼ばれる力を持ったのは、安倍首相が時に衝突しながらも、“野心”のない菅氏に内政を任せてきたからだ。政権の看板である成長戦略は菅氏の政策と言っていい。「財界の要請で外国人労働者受け入れへと国の基本方針を転換したのは菅さんの判断。観光立国のためにビザ発給要件を大幅に緩和したし、水道法改正なども主導した。携帯料金の値下げが決まったのも菅さんの鶴の一声だった」(内閣官房の中堅官僚) 新元号発表についても保守派の猛反対を押し切って新天皇即位の1か月前に発表する剛腕を見せつけた。◆「偉駄天の会」を結成 人事権も握っている。内閣改造の際、大臣は安倍首相が選ぶが、各派閥へのポスト配分が必要な副大臣、政務官の人選は菅氏が中心に調整するとされる。そこで無派閥議員が不利にならないよう配分してきた。菅氏は地元・神奈川新聞のインタビューでこう語っている。〈派閥をつくる気はない。無派閥で当選4回以下の衆院議員に、政治家として歩んできたことをアドバイスしている。派閥に所属しなければ役職に就けないといったことをなくしていこうと。党全体を見て必要な人は応援していくということだ〉(2018年8月12日付) しかし、官房長官として実績を積み上げた菅氏は党内で「次の総理の最有力候補」と見られるようになり、周囲に人が集まってきた。 派閥の役割はポストの配分だ。菅氏がいくら「派閥をつくる気はない」と言っても、ポストで世話になれば、菅氏を「親分」と頼りにする議員が増える。党内には無派閥議員を中心に菅氏を囲むグループが次々に生まれている。「偉駄天の会」はインドの神・韋駄天の韋の字を菅義偉の「偉」に変えた派閥横断的なグループで、その中で当選4回以下の無派閥の若手議員たちの集まりが韋駄天の兄弟・歓喜天(別名ガネーシャ)の名前を取った「ガネーシャの会」。菅側近の梶山弘志・前地方創生相、小此木八郎・前防災相らの「無派閥有志の会」もある。その数を合わせると無派閥議員約70人のうち30人とも50人ともいわれる。 昨年の自民党総裁選では、菅氏自らそうした無派閥議員たちと安倍首相の食事会をセットし、安倍支持票を取りまとめた。ポストを配り、総裁選で一糸乱れずに動く。派閥そのものである。“菅派”議員の1人が匿名を条件に語る。「われわれが表だって菅さんを次の総理にと動けば菅さんに迷惑をかける。仲間はその時まで声を上げないようにしようと申し合わせている。もちろん、安倍政治を引き継げるのは実力的に菅さんしかいないという思いはみんな同じです」 そうした「待望論」が菅氏の背中を押している。◆「菅学校」で大臣を養成「正真正銘3期目が最後の任期となります」 安倍首相は日本商工会議所の総会で、総裁4選論を強く否定した。 それでも絶対ないとは言えないが、「安倍4選がなければ次は菅」と先物買いに走る動きが相次ぎ、早くも菅内閣の大臣の顔ぶれを予想した「閣僚名簿」まで流れている。そこには自薦他薦、自民党の次世代のホープから中堅議員までの名前が並んでいる。筆頭格で登場するのは菅氏が目をかける、地盤(神奈川)を共にするこの2人だ。〈次のリーダーは、とりわけ河野太郎外相と小泉進次郎氏には期待している。当選同期の河野氏は非常に胆力があり、当初から「総理大臣になりたい」と言っていた。今、外務大臣として水を得た魚のように活躍している。小泉氏は若くして注目され、党の農林部会長としてもしっかり役目を果たした〉(神奈川新聞2018年8月12日付) 河野氏は麻生派の後継者候補だが、外相に起用されたのは菅氏の強い推薦があったからとされる。安倍首相とは距離を置く自民党のホープ・進次郎氏も山梨知事選、沖縄知事選など菅氏が応援に入る先に同行して“忠臣”ぶりを発揮している。 菅氏の腹心といわれるのが梶山氏と小此木氏だ。梶山氏の父・静六氏は菅氏の「政治の師」であり、小此木氏の父も菅氏が長年秘書として仕えた恩人だ。菅氏は2人を前回の内閣改造で入閣させ、“恩返し”した。 女性議員で菅氏の“側近”とされるのは沖縄補選に出馬する島尻安伊子・元沖縄担当相、三原じゅん子・参院議員だ。三原氏は菅氏の選挙応援行脚に影のように従う。かつて菅氏が所属していた竹下派からは、小渕優子・元経産相が入閣候補にあがっている。「菅さんは竹下派の顧問格で“参院のドン”と呼ばれた青木幹雄氏に参院の運営について相談している。その青木氏は小渕氏を派閥の後継者としてとくに目を掛けているから、菅内閣となれば小渕氏は党3役や大臣で復権する可能性が高い」(竹下派議員) 候補者は二階派の林幹雄氏らなど他派閥にも及び、さらにサプライズ人事として“盟友”橋下徹氏の民間登用を期待する声もある。 こうみると“菅内閣の閣僚名簿”のコンセプトは「世代交代」とも読める。将来の総理候補を大臣にズラリと並べて養成し、自分がやめるときに直接バトンを渡す。かつて吉田茂・首相が佐藤栄作氏、池田勇人氏ら若手を大抜擢して「吉田学校」と呼ばれたように、菅政権はいわば「菅学校」の性格を帯びる。 その時には、安倍首相も二階俊博氏も麻生太郎氏も、石破茂氏、岸田文雄氏、野田聖子氏ら「中二階」組も“過去の人”になる。政界の“代替わり”は水面下で進み始めている──。※週刊ポスト2019年4月19日号
2019.04.09 11:00
週刊ポスト
鍵を握る二階氏(時事通信フォト)
大阪、福岡、島根知事選の見所 二階vs菅・“麻生包囲網”等
“大阪の陣”“福岡の乱”“島根の変”──統一地方選(前半は4月7日、後半は4月21日投開票)の中でも、とくに「勝敗が中央政界に直結する」(自民党選対幹部)と見られているのが、大阪、福岡、島根での3つの知事選だ。 万博を控えた大阪市長選と府知事選のクロス選挙は、大阪維新の会と自民党大阪府連が激突。大阪の選挙で維新にやられっぱなしの自民党は二階俊博・幹事長が自ら陣頭指揮を執る。「わかっているよ。バカヤロ~」 告示日の3月21日、大阪で街頭演説に立った二階氏は、予定時間を過ぎて演説を止めようとしたスタッフをそう叱責して「ワケのわからん人を大阪の代表にしてはダメだ」と維新を批判するなど並々ならぬ力の入れ方だった。「維新のバックに“影の総理”と呼ばれる実力者、菅義偉・官房長官がいることは党内周知のこと。二階氏にすれば、勝って維新を弱体化させ、中央では菅さんの力を削ごうとしている」(前出・自民党幹部) 二階vs菅の代理戦争と化しているという指摘である。「これは造反だ」 福岡県知事選でそう苛立ちを露わにしたのが麻生太郎・副総理だ。麻生氏は県連の反対を押し切って知事選に新人候補を擁立、安倍首相に「推薦をもらえないなら副総理を辞める」と談判して自民党推薦を取り付けたとされる。 ところが、選挙戦では二階派議員が現職知事を応援して麻生vs二階の代理戦争となっているうえ、古賀誠・元幹事長、山崎拓・元副総裁という福岡出身の自民党大物OBたちが現職支持に回って“麻生包囲網”が敷かれた。「安倍晋三ですら(2012年総裁選で)3番と言われ、1番になった。すべてのマスコミの調査が間違っていた。それが選挙だ」 窮地の麻生氏は現職優位の報道にそう反論しているが、結果次第では党内の批判が噴出して副総理の座も危うくなりかねない。 島根県知事選も、選挙後に中央の政局に深刻な影響が出る。島根は「竹下王国」と呼ばれ、故・竹下登元首相が築いた地盤を実弟の竹下亘・前総務会長が継いだ。 だが、今回の知事選ではその竹下氏が擁立した候補を不服として、竹下系県議18人のうち14人が「地元のことはわれわれが決める」と別の候補を担ぎ出し、「地方議員の反乱」で竹下王国は崩壊の危機にある。 そのことが竹下派に衝撃を与え、派閥分裂を呼び込む可能性が出てきたのだ。同派若手議員がこう心配する。「竹下会長は知事候補を擁立した後、食道がんで入院し、派閥の運営は幹部の集団指導体制で行なっている。島根で負ければ会長の求心力は下がり、そのうえ入院が長期化すれば後継者問題が浮上する。派閥分裂という事態だけは避けてほしい」 竹下派には会長代行の茂木敏充・経済再生相、安倍側近の加藤勝信・総務会長、竹下氏が「将来の総裁候補に育てる」と肩入れする小渕優子氏という3人の後継者候補がいる。跡目争いが激化すれば、ポスト安倍をにらんで派閥拡大路線をとる他派が介入して自民党大乱の引き金になる。 統一地方選で各地に上がった自民党内の紛争の火の手は、夏の参院選とその後の“政変”を見据えたいわば前哨戦で、これから本番を迎える。※週刊ポスト2019年4月12日号
2019.04.01 16:00
週刊ポスト
女性政治家は「マドンナ旋風」から脱却して成熟したのか
女性政治家は「マドンナ旋風」から脱却して成熟したのか
 故・土井たか子氏ら、平成の初めに「マドンナ旋風」を起こした女性議員は政界に1人も残っていないが、いまや女性の大臣や知事、党首、首相候補が生まれ、スキャンダルの主役になっている。果たして、女性政治家は「成熟」したのだろうか。「政治の世界はいまだ男社会。女性が首相になるためには、男たちから権力を奪い取らなければならない。女性議員にその覚悟があるのでしょうか」 そう指摘するのは『女政治家の通信簿』(小学館刊)の著者で文筆家の古谷経衡氏だ。「政界のマドンナ」と呼ばれるのは、男性政治家から権力闘争の相手ではなく、“花を添える存在”と軽視されている証拠という。「男性優位の政界に女性が飛び込むとチヤホヤされる。それは政策や胆力を評価されてのことではなく、女性だから。本当は見下されていると屈辱を感じるべきです。 唯一、自民党総裁選で安倍首相に挑もうとした野田聖子氏には反抗精神を感じたが、今では与野党問わず、男に媚びへつらう型の女性政治家が大半を占めている」 安倍政権には「女性大臣枠」があって、人数が少ない女性議員は男性より出世が早い。中には稲田朋美・元防衛相のようにスピード出世で「将来の女性首相候補」と持ちあげられた政治家もいた。 だが、稲田氏は大臣の務めを果たせずに更迭された。「女性の国会議員には市議から県議と地盤をつくって国政にのし上がった叩き上げの政治家が少ない。 世襲議員の小渕優子氏が当選したときに『これから勉強します』という言葉を聞いてあ然としたが、女性議員の多くが党からお飾りでも勝てる選挙区や比例代表の議席を与えられた政治の素人です。それで叩き上げの男性政治家に勝てるはずがないし、男から権力を奪う発想も生まれない。一国の総理なんて夢のまた夢でしょう」 実力で権力を奪い取る「真の女性総理」が誕生するのはまだまだ先になるのだろうか。※週刊ポスト2019年1月1・4日号
2018.12.30 07:00
週刊ポスト
柴山昌彦文科相、小渕優子氏を彷彿させる公選法違反疑惑浮上
柴山昌彦文科相、小渕優子氏を彷彿させる公選法違反疑惑浮上
「全員野球」とはスター不在のチームの監督がよく使う言葉だが、そう掲げた安倍新内閣の数少ない“看板大臣”に早くもスキャンダルが飛び出した。 1人目は大臣就任会見で教育勅語について問われ、「道徳などに使うことができる」と護憲派野党や左派メディアを刺激して見せた柴山昌彦・文部科学相だ。 2004年、安倍首相が幹事長時代に指揮を執った補欠選挙(衆院埼玉8区)で初当選して以来、総裁特別補佐や首相補佐官を歴任した「首相の側近」である柴山氏に、政治資金問題が浮上。 舞台は柴山氏が首相補佐官だった2年前の2016年11月21日に行なわれた女性後援会「しばざくら会」の懇親バスツアーだ。一行は地元・埼玉から東京へ向かい、永田町の国会議員会館の大会議室で高級料亭の仕出し弁当を食べた後、中央区の浜離宮恩賜庭園の観光などを楽しんだ。 柴山氏は当時のブログで、〈260名を超える本当に多くのご参加をいただき……〉と写真入りで感謝の言葉を綴っている。 政治家が後援会の東京観光ツアーを催行するのは珍しくないが、参加費を徴収して政治資金収支報告書に記載するのがルールだ。 政治団体「しばやま昌彦後援会」の同年の報告書を見ると、しばざくら懇親ツアー分としてバスのチャーター代、弁当代やお茶代、入園料など合計約120万円支出されていた。参加者約260人だから経費は1人5000円近い。 ところが、報告書にはツアー代の収入が計上されていない。この年、後援会には1965人の後援会員から集めた会費約620万円や寄附などの収入があり、そのカネで懇親会ツアーなどの経費を賄ったことが読み取れる。公益財団法人「政治資金センター」理事の上脇博之・神戸学院大学法学部教授が指摘する。「現職の国会議員が後援会の催しで酒食を提供すれば公選法違反の饗応・接待にあたる。1000円の弁当を出して900円集めてもアウトになる。柴山氏のケースでは、弁当代、浜離宮庭園の見学のバス代も後援会費とは別に実費を取った上で、正確に報告書に記載していなければ違法です」 思い起こされるのは、2014年に経産相辞任に追い込まれた小渕優子氏の「観劇会」問題だ。地元後援会の収支報告書では、出席者から集めた会費収入よりも、東京・明治座に支払った観劇代のほうが多く、差額分が有権者への利益供与(公選法違反)ではないかという疑惑が浮上し、辞任へとつながった(※注)。どう違うのか。【※注/小渕氏が地元の有権者を招待した「観劇会」(東京・日本橋の明治座)で、小渕氏の後援会などの明治座への支出が、報告書上で収入を上回っていた問題。観劇会で赤字が生じたように装うなどし、政治資金収支報告書に虚偽記載や不記載をしたとして、小渕氏の元秘書2人の有罪判決が2015年10月に確定した】 柴山事務所はまず、ツアー代の収入の記載がないことについて、「行事のたびに参加者から会費を徴収し、まとめて『党費又は会費』の項目に計上。有権者への利益供与には当たらない」と説明する。だが、党費や年会費と行事の参加費をまとめて計上してしまえば、実費を徴収したのかの検証は不可能になる。「翌年の報告書からは事業ごとに収入を記載するほうがよりよいと判断し、記載方法を改めた」とするが、その報告書はまだ公開されていない。 しかも、本誌が質問した「しばざくら会」の懇親ツアー会費の額については当初答えず、重ねて質問するとようやく「4000円の会費制で実施した」と回答。実費は約5000円かかっているので、やはり利益供与ではないか。さらに問うと、「直前キャンセルが多くあり、予定していた人数なら4000円の実費で賄える計算だった」とした。 数十人が“ドタキャン”して後援会が損をかぶったという説明に終始するのだった。※週刊ポスト2018年10月26日号
2018.10.15 07:00
週刊ポスト

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