(C)2018, SSVG EAST FUND INVESTMENT LIMITED (C)2018, “ANIMAGRAD” LTD © 2018, Ukrainian State Film Agency © 『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』製作委員会

ディマさんが演じるのは、主人公・ルスランのライバルとなる三兄弟の末っ子・ロデー(画像右) (C)2018, SSVG EAST FUND INVESTMENT LIMITED (C)2018, “ANIMAGRAD” LTD © 2018, Ukrainian State Film Agency © 『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』製作委員会

「大学の教授は、私、運が良くていい人に出合えたので、入学後2週間でひらがなとカタカナは書けるようになりました。でもやっぱり教科書は合わなくて、家で、趣味を通して独学でやりました。動画をYouTubeでたくさん見たり聞いたり、あとはゲームとか。

 自分がどうやって日本語を覚えたか、説明するのは実はとても難しいです。聞きまくって覚えたって感じですかね。語彙も文法も、全部含めて聞き慣れて、使い始めた。ほとんど耳に頼っていました」

 聞きまくって文法も覚えた、という言葉に思わず「えっ、文法も?」と聞き返してしまった。ディマさんはにこにこしつつ、ちょっと困ったような顔だ。

「なんか説明できないんですよ。言葉を聞いて、あ、それ聞いたことあるな? あれと組み合わせるとこんな意味になるんじゃないか、みたいに考えて、推測した言葉をgoogleの翻訳機能で調べてみると当たってた、ってことが多かった。だから『どうやって勉強したか』と聞かれたら、趣味を通して学んだって答えるけれど、普通の方法じゃないかもしれない。だから私の日本語は、多分『我流』です。

 ウクライナにいた頃は、日本人と話す機会がほとんどなかった。早稲田大学と大阪大学から大学生が見学に来て、そのおかげで友達を見つけて会話の機会がちょっと増して、日本語で喋る会みたいなものもzoomで行ったりしたんですけど、1か月に1回で、それが3、4回。日本語を話したのは自分で音声サンプルを作っている時でした。

 最初は、録音した音声を友達に送って、聞いてもらった。音の上がり下がりを矢印で説明してくれたので、それを真似して。そのあと、日本に住んでいるロシア人と知り合って、電話で発音レッスンみたいなことをしてもらいました。相手の言う文章を、後からついて繰り返していたら『なんかあんたの耳(いい意味で)おかしくない? 私もその耳欲しい』って言われて『あ、自分は耳がいいのかな』と思った。」

 なぜ話せるのかよく分からない、言えるのはどうやら自分の耳がいいということだけ──という説明はとてもリアルだと感じた。確かにディマさんは『欲しい』と言われる耳を持っているようだ。こちらの質問に対する答えが、早い。表情や仕草などのレスポンスも、なんというかとても堂々としている。

関連記事

トピックス

「夢みる光源氏」展を鑑賞される愛子さま
【9割賛成の調査結果も】女性天皇についての議論は膠着状態 結婚に関して身動きが取れない愛子さまが卒論に選んだ「生涯未婚の内親王」
女性セブン
勝負強さは健在のDeNA筒香嘉智(時事通信フォト)
DeNA筒香嘉智、日本復帰で即大活躍のウラにチームメイトの“粋な計らい” 主砲・牧秀悟が音頭を取った「チャラい歓迎」
週刊ポスト
『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
撮影前には清掃員に“弟子入り”。終了後には太鼓判を押されたという(時事通信フォト)
《役所広司主演『PERFECT DAYS』でも注目》渋谷区が開催する「公衆トイレツアー」が人気、“おもてなし文化の象徴”と見立て企画が始まる
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン