刺激性の便秘薬を長期間服用すると、薬の成分が腸の粘膜に沈着して真っ黒に変色する。さらに進行して腸壁の神経細胞が損傷されると、腸機能の低下を引き起こす「腸管メラノーシス」を発症する可能性があるという。
厄介なのは、腸の機能が低下することで便が出なくなり、ますます便秘薬に頼るようになる「下剤依存」に陥りやすいことだ。大竹医師が言う。
「私が診た患者のなかには、市販の刺激性便秘薬が効かなくなり、1日に60錠も服用する人がいました。改善するにはマグネシウム製剤など依存性が低い便秘薬を使いながら、刺激性便秘薬の服用を減らしていくしかない」
薬に頼りすぎることで負の連鎖に陥ってしまっては元も子もない。
※週刊ポスト2023年10月20日号