効果が遅く出る「大麻グミ」は危険
「グミやクッキーは、薬物経験がある人でも摂取には気をつけないと危ないです」
こう話すのは、自身も大麻やコカインの所持・使用で逮捕された経験のある都内の会社役員・町田俊平さん(仮名・40代)。問題になっている”大麻グミ”の摂取経験もあるという。
「グミの場合、(タバコ状にして)吸引するのと違って、咀嚼して胃に入ってから陶酔成分が効いてくるため、パクッと食べても最初は効果を感じにくい。効果がないと思い、調子に乗って2個も3個も食べていると、そのうちにガツンと効果が現れ、立ち上がることすらできない、意識が無くなるということにつながるんです」(町田さん)
実は町田さん、現在も合法である海外に赴いては大麻を楽しんでいるといい、日本国内外の「大麻解禁論者」とも交流を持つ。そんな町田さんが激怒しているのが“大麻グミ”販売業者と、マスコミの報道姿勢だ。
「業者は大麻が好きだとか、大麻文化をとさまざまなところでPRしていますが、大麻を隠れ蓑に危険な物質を日本国中にばら撒いているだけ。大麻解禁論者や一部のミュージシャンが販売業者を擁護していますが、あれを本当に大麻(由来)だと思っているのなら、相当に頭が悪い。マスコミも、やたら“大麻”を連呼しますが、関係のない大麻にネガティブイメージを持たせるための報道ではないかと疑ってしまいます。大麻と違ってどんな成分が入っているかは、業者だって把握できておらず、命を落とす可能性もあるということは、もっときちんと周知されるべき」(町田さん)
“大麻グミ”に入っているとされる化学物質「HHCH」は、11月22日付けで「指定薬物」に追加、12月2日には販売や所持・使用が禁止される。販売店では「規制前の買いだめ」をしようと、客がひっきりなしに訪れていると聞くし、業者もSNSなどで「飛ぶように売れている」などとうそぶく。対応が迅速に見えるかもしれないが、実際には業者と当局による「いたちごっこ」は始まっている。今回、禁止に指定されるHHCHは2023年3月に「HHC」という化学物質が規制されて登場した、新たな化学物質なのだ。ひとつ禁止されると、法規制を逃れるために類似した次の化学物質に業者がとびつく、という、ここでも危険ドラッグが増殖した時期とよく似た光景が広がっている。