勝率1割、連対率も2割近くをキープして頑張っているじゃないかと言ってくれる人もいるけれど、それは僕の評価ではありません。ただただ、1頭1頭と向かい合うのみ。パドックなどでのお行儀もよくしてほしいし、初めて乗るジョッキーでも乗りやすいように仕上げる厩舎のコンセプトを第一に考えます。
意識して出走回数を少なくしているわけではないし、「使いながらよくなっていく」という考え方を否定するわけでもありません。来年は情況に応じて考え方や方法を微調整していくかもしれません。秋に馬房が20になったことで少しは出走数も増えてきて1日2勝することができたように、少しずつ前進しているのかなと思っています。
この先やって行けそうな手応えを掴むことができるようになったのも、オーナー、生産者、スタッフ、そしてファンの方々のおかげです。2024年もよろしくお願いします。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。
※週刊ポスト2024年1月1・5日号