「急にテーブルの酒瓶を持って……」
昨年3月の傷害事件は、西条市大町にあるスナックで起こっていた。同スナックの女性従業員は「ニュースを見て『あの人か』と思いました」と、うんざりした表情で取材に答えた。
「去年3月くらいにお店に来ました。常連さんでもなく一見の客で、うちのお店の女性が外で休んでいたら、『ここ飲めるの?』と声をかけて入ってきたんです。見るからにチャラチャラした雰囲気なのに連れてる女性はおとなしくて地味な雰囲気で、変なカップルだなと思いました。彼はその女性を『俺の嫁さん』と呼んでいました。
店では『東京でホストやってたんだ』『結構稼いでた』『車いじるのが好きなんだ』『酒強いよ』と自慢話が多かった印象です。小一時間飲んで、同行していた女性が一度店を出たのに、『お前外で待っとけ』と指示して、また店に入ってきたんです」(Aさん、以下同)
酒が進んでいた榊原容疑者は、その後周囲が驚く蛮行に出たという。
「居合わせたお客さんに何やら話しかけて、急にテーブルに置いてあった酒瓶を持ち、殴りかかったんです。床は血まみれになり、女の子たちも何が起こったのかわからず呆然としました。止めにかかった女の子をヘッドロックしたり、こづいたりもしていた。躊躇なく暴力を振るう姿は、はっきり言って異常でした。
警察、救急車を呼ぶと、女性と一緒に走って逃げ出しました。その後、榊原は逮捕されたみたいで、うちの店の女の子も西条署に呼ばれて事情聴取を受けました」
何度も事件を起こしていた榊原容疑者。悲劇を未然に防ぐことはできなかったのか。警察は冨田さんの殺人と榊原容疑者の関連について、捜査を続けている。