『起き抜け漫才』で時事ネタジャンルを確立。コロムビア・トップ・ライト(1950年結成)

『起き抜け漫才』で時事ネタジャンルを確立。コロムビア・トップ・ライト(1950年結成)

塙:この世界に入ったとき、まだ三代目の会長でした。

高田:あっ、覚えてる? メシに連れて行ってもらった?

塙:行ったんですけど、トップ会長も、こいつらに言ってもわからないなっていう感じでしゃべってましたね。

神保:トップ・ライトが偉いのは、司会漫才を完成させたことです。いまは漫才の方々がMCとかやられていますが、昔は歌謡ショーがいくつもあった。司会はもともと一人でやるものだったのを、二人は漫才をしながらやりました。それをさらにラジオに持ち込んだんですね。

高田:ニッポン放送で朝やってた『起き抜け漫才』だ。

神保:トップさんがこういうことがあってけしからんっていうと、ライトさんが、そういうことを言うもんじゃないよって。

高田:そう、そう。ちょっと止める役をやるんだよな。

塙:その時代から『オールナイトニッポン』や『北野ファンクラブ』の原型みたいなことを。

高田:全盛期、週にラジオを10本以上、全局回ってた。

神保:もともとが、青空トップ・ライトっていう名前でした。

塙:今の青空一門のトップで、六代目会長の球児・好児師匠の師匠ですもんね。

(第2回につづく)

【プロフィール】
高田文夫(たかだ・ふみお)/1948年東京都渋谷区生まれ。日本大学芸術学部を卒業すると同時に放送作家に。『ビートたけしのオールナイトニッポン』『オレたちひょうきん族』など数々のヒット番組を生む。落語家としても立川藤志楼を名乗り、1988年に真打昇進。1989年にスタートした『ラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)は2024年で35周年。

塙宣之(はなわ・のぶゆき)/1978年千葉県生まれ。2000年に土屋伸之とナイツを結成。漫才新人大賞(2003年)、文化庁芸術祭大衆芸能部門優秀賞(2013年)、芸術選奨大衆芸能部門文部科学大臣新人賞(2016年)、浅草芸能大賞大賞(2022年)など受賞多数。2023年6月より漫才協会会長。初監督作『漫才協会 THE MOVIE 舞台の上の懲りない面々』が3月1日(金)より、東京・角川シネマ有楽町他で公開。

神保喜利彦(じんぼ・きりひこ)/1996年群馬県生まれ。國學院大學卒。学生の頃から芸能研究を手掛け、研究サイト『東京漫才のすべて』『上方漫才のすべて』を運営している。2021年より演芸研究誌『藝かいな』を月刊で刊行中。近刊に、漫才の源流から現代まで、数多くの芸人やその遺族、関係者や研究者を直接訪ねて完成した東京漫才の通史『東京漫才全史』(筑摩選書)。

※週刊ポスト2024年3月8・15日号

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