涙の辞任表明会見の前日、第三者委員会によるハラスメントの認定を受け、記者団の取材に応じる岐阜県岐南町の小島英雄町長。このときは「こんな事でセクハラになるのかな」と不満を隠さなかった(時事通信フォト)

涙の辞任表明会見の前日、第三者委員会によるハラスメントの認定を受け、記者団の取材に応じる岐阜県岐南町の小島英雄町長。このときは「こんな事でセクハラになるのかな」と不満を隠さなかった(時事通信フォト)

〈「俺の足は白いやろ(「すべすべやろ」と言う場合もある)」などと言ってズボンを膝近くまでまくりあげ、みせつける又はさわってみろと言う行為も多く、これはヒアリングに応じた女性職員の内7 名から不快であったとして、被害申告があった。〉

〈被害内容は「町長から、突然、胸を触られ、お尻を触られた。」というものであり、刑法上の強制わいせつ罪(刑法 176 条。なお、令和 5 年 7 月 13 日以降の行為に関しては、「不同意わいせつ罪」として新設されている。)に該当する可能性がある行為も認められた。〉

 報告書について伝える報道の中には、「町長と同世代なら普通のこと」と考えていると受け取れるような街の声をとりあげたものがあった。だが、それはあまりに恣意的ではないだろうか。

職員の人事にも影響か

 ともあれ調査報告書の概要は〈強制わいせつ罪に該当する可能性がある行為〉と指摘される厳しいものであった。報告書ではセクハラ認定99件の大半を町長の行為の内容とともに列挙している。

〈町長は上司のみを帰室させ、女性職員と二人きりになってから、頭をポンポンと触る〉

〈女性職員に対してだけ、露わにした脛を、単に見せつけるにとどまらず、「触ってみ」と申し向ける行為〉

〈パンツルックの女性職員と会話する中で、「じゃあ、下に履いとるものはなんていうんや」などと質問し(中略)「パンツ」という言葉を言わせようとした〉

〈女性職員が残業している際、後ろから近づきポニーテールにしていた髪の毛に手を触れ揺らす〉

〈女性職員に対して「更年期じゃないのか、生理は終わったのか」などと聞く〉

〈突如、立ったまま電話対応していたA(女性職員)のお尻を触った。後日、町長はAに対して、「まあ、あれは挨拶みたいなやつや、嫌やったらごめんな」「何か俺がお尻を触ったと爆サイ(匿名掲示板)で噂になっとるらしいけど言ったのAじゃないよな」〉

〈C(女性職員)を町長室に呼び出し、胸のあたりに違和感があるから診てほしい旨を言って、シャツのボタンをはずし、胸のあたりを露わにする。(中略)Cが立ち上がった瞬間、突如、Cのお尻を触った〉

〈ロングスカートを履いていたF(女性職員)に対し、スカートから見えているくるぶし辺りを指し、「寒くないか」などと言って、さするように触った〉

 あまりに多く紹介しきれないためここまでとするが、女性職員のAからHまで具体的な内容の8名はとくに〈深刻なセクハラ行為〉としている。

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