一方で札幌に負けず劣らず、観光客でにぎわう小樽市。日本海に接するレトロな街並みで、潮風を浴びながら海の幸を味わうのは格別だろうが、地元住民なら決して行かない場所があるそうだ。札幌在住で小樽の大学を卒業した会社員のBさん(25歳)は語る。
「いつも賑わっている小樽市内のある市場は、いかんせんどこのお店のメニューも高くて。うに丼、いくら丼が5000~6000円台なんてザラでとてもじゃないですが、手は出せません。行列必至なお店も多く、食べるまでに時間がかかるのもネックです。昔はもっと安かったんですけどね」
札幌や小樽ではメニューが高くても観光客がどんどん訪れるせいか、原材料費の高騰抜きに価格がここ数年でぐんと上がったと感じているのだとか。
「けれど外国人観光客は、好んで並んでいるような印象を受けます。まあネタの鮮度はよいほうで、駅からのアクセスも抜群ですからシンプルに訪れやすいんでしょうね。地元だともっと安いお寿司屋さんや食堂があるので、選択肢にはありません」(Bさん)
けっきょく安いお店ってどこにあるの?
観光地ならではの価格設定、かつインバウンド需要によって、全体的な価格が吊り上がっている印象を受ける。だが北海道に旅行しに来たともなれば、どうしても海鮮を味わいたいのが正直なところ。
果たしてどこで食べると、安く済んで、なおかつ美味しいのか。最後に北海道在住者ならではのおすすめの場所について聞いてみた。
「海鮮を食べたいのであれば、海鮮丼ではなく、道内で展開している『回転寿し トリトン』『根室花まる』『なごやか亭』といった回転ずしチェーンに行っておけば、間違いはないでしょう。ネタの鮮度も質もよくて、自分の好きなネタを頼みやすいですから、満足度は高いはず。もちろん高いネタはそれなりによい値段はしますが、海鮮丼を食べるよりも失敗はないと思うのでおすすめです」(前出・Aさん)
「小樽の隣接市でウイスキーが有名な余市がおすすめです。小さな町ですが、安い海鮮丼が味わえるお寿司屋さんが点在していまして、コスパも最高。観光に来るとなれば、自動車は必須なので、レンタカーを借りて食べに行くとよいでしょう」(前出・Bさん)
インバウンド需要で値上がり傾向にある海鮮丼。事前に情報を仕入れ、賢く味わいたいところだ。
(取材・文=A4studio)