国内

大前氏 税制改革で低所得者の負担比率を軽くしてはならない

 日本は財政破綻、経済崩壊の危機に直面しつつある。では、現状を打開するにはどうすればよいのか? 本気で日本の財政再建を目指すなら、小手先の税制改革ではなく、税体系そのものを抜本的に刷新しなければならない。だが、その場合、税制を考える上で不可欠な二つの原則を徹底させなければならないと、大前研一氏は指摘する。以下、大前氏の解説。

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 第1の原則は「税の公平性」である。民主主義の原則は「すべての人が公平に負担をする」ということだ。しかし、所得が増えると税率も上がる累進課税や年収が一定額以下の人は税金が免除される現行の税制はこの原則に反している。

 例えば、一部識者が提案している「貯蓄税」のように、1000万円以上の預金に対して2%課税するのではなく、すべての預金に1%課税する。そうすれば100万円なら1万円、1000万円なら10万円、1億円なら100万円という具合に預金の絶対額に応じた負担の大きさになる。それが「公平」というものだ。

 いま日本では、就労者でありながら所得税を払っていない人が約4割もいる。この割合は世界で最も高い。本当に貧しくて困っている人たちを救済する生活保護などのセーフティネットについては、別途、あってしかるべきだ。だが、負担の比率を軽くしては絶対にいけない。

 税金は薄く広く、全員が同じ比率で公平に負担すべきなのである。
 
※週刊ポスト2010年10月8日号

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