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原口氏「海保の罪のない人を揺さぶって何かいいことあるのか」

 尖閣ビデオ流出事件で原口一博・前総務大臣は「民主党の存在意義が問われている」と語る。民主党政権に警鐘を鳴らす原口氏に聞いた。

―官邸は自分たちを被害者にして、「加害者は別にいる」といったすり替えをしているように見える。

「確かに、それは問題のすり替えです。報道も『危機管理能力の問題』だといって、明らかにその方向に進んでいます。私がビデオ流出は国家への反逆だと発言した記事が出ましたが、あれは鳩山前首相の発言。私の発言を聞いていればあんな記事になるはずがないんです。そうしたい人がいるんだろうと思ってしまいますね。

 海保のなかの罪のない人たち、しかも一生懸命捕まえる側の人たちを揺さぶって、何かいいことがあるのか。彼らは今日も尖閣諸島を守っているんですよ。ただでさえ人員が足りないところに、海保職員をみんな集めて取り調べをする。これでは士気が落ちるし、国境警備どころじゃない」

―11月1日にはロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問した。

「中国は領海侵犯した漁船が、これまでは逃げていたのに今回は巡視船にぶつけてきた。ロシア大統領はこれまで1回も訪問していなかった北方領土に行った。

 どちらも中ロの側が、日本との間に積み上げてきたルールを踏み外したわけです。これに対して、『これまで積み上げてきたものを壊すのか?』と明確なメッセージを発信すれば、向こうは『壊す』とはいえなくなる。それが外交なんですよ。

 相手のルール破りをみすみす許して、北方領土問題に尽力してこられた末次一郎先生(安全保障問題研究会を主催、沖縄返還のほか北方領土問題にも取り組み2001年没)らの努力が一瞬にして水泡に帰すとしたら、国家としての歴史的敗退ですよ」

※週刊ポスト2010年11月26日・12月3日号

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