来春卒業予定の大学生の就職内定率は57.6%で、調査を始めた1996年以来最悪の数字となった。『くたばれ! 就職氷河期』(角川SSC新書)の著者で人材コンサルタントの常見陽平さんは、根強い“有名企業信仰”が学生の就活を難しくしているという。
「最近は少し変化もありますが、学生はいまだにミーハー感覚で企業を選びがち。経営不安が公然の秘密だったJALが人気企業ランキングにはいり続けていたのが良い例です」
ネット就活の落とし穴もある。昔は企業に資料請求しても門前払いされることが多かったが、現在は就活サイトの普及により、パソコンで手軽にエントリーができるようになり、応募のハードルが下がった。このため、「もしかしたら内定するかも」と甘い期待を抱く学生が増えたという。
「みんなが同じサイトを見てエントリーする。有名企業には応募が殺到するため、合格する可能性はますます低くなっています。それにいまは大手でも安泰できる時代ではなく、“大企業イコールよい企業”ではありません。企業を“見る目”を養うことが大事です」(常見さん)
※女性セブン2010年12月16日号