ビジネス

金融コンサルタント「原油価格高騰は日本経済に大チャンス」

 原油価格の高騰が、日本経済に悪影響を与えることが懸念されている。しかし、金融コンサルタントの菅下清廣氏はこう指摘する。

 * * *
 日本にとって、原油の高騰は経済の足かせになると心配する声も多いのですが、これは間違いです。断言しておきますが、現在1バレル=100ドルを超えたと大騒ぎしている原油価格が、たとえ140ドルになったとしても、日本への影響は限定的です。かつてオイルショックで大打撃を受けた時の為替レートは1ドル=280円でしたが、今は当時に比べて、円には3~4倍の価値があり、通貨の強さが全く違います。

 また、原油は「燃料」としての価値と、化学工業などの「原料」としての価値があります。日本は資源を輸入して加工し、付加価値をつけて輸出するという能力で、ドイツと並んで世界トップです。原料価格が上がれば、商品価格も上がりますから、むしろ歓迎すべき局面ともいえます。
 
 さらに、原油価格の高騰は、日本が最も得意とするクリーンエネルギー技術の需要を高めます。この1月、オバマ大統領は一般教書演説で、35年までにアメリカの消費エネルギーの80%を、原子力、太陽光、風力発電などのクリーンエネルギーに転換すると述べました。

 これらの技術は、いずれも日本企業が最先端を走っています。世界的に見ても、これから日本経済に大チャンスが訪れます。日本も早く政治の混迷が終わって優秀なリーダーが現われ、大胆なエネルギー政策を打ち出すべきだと思います。

※週刊ポスト2011年3月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
2021年ドラ1右腕・森木大智
《悔しいし、情けないし…》高卒4年目で戦力外通告の元阪神ドラ1右腕 育成降格でかけられた「藤川球児監督からの言葉」とは
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン