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福島の詩人 気持ちを伝えたく本能的にツイッターに向かった

〈ガソリンが切れるか、命が切れるか、心が切れるか、時が切れるか、道が切れるか、俺はまた、一個の憤怒と激情となって、海へと向かうのか。 悔しい、悔しい、悔しい、海へ、悔しい、海へ、海へ。〉(4月1日のつぶやき)

 ツイッターに、震災6日目から掲載されている「魂のつぶやき」が話題になっている。

〈行き着くところは涙しかありません。私は作品を修羅のように書きたいと思います〉

 つぶやくのは、和合亮一氏(42)。福島県福島市在住、高校の国語教師で、1998年に中原中也賞を受賞した詩人だ。自宅は福島原発から60km圏内。20km圏内の南相馬市にも6年ほど住んでいたことがある。

「震災当日は、職場で会議をしていました。ツイッターを始めた3月16日は、私の住んでいるところの放射線量値も高く、自主避難区域が20kmから30km圏内に延びたところでした。避難区域が迫ってくるのではないかと非常に緊迫した気持ちでいたのですが、この気持ちを誰かに伝えたくて、本能的にツイッターに向かいました」

 フォロワーは約1万人。連日、「故郷のことを思い出しました」「亡くなった家族のことを考えました」という反響もきこえるという。

「この詩を書くようになって、よく涙を流すようになりました。怒りと悲しみ、思慕と諦めなどがない交ぜになって激しい感情になる。それが僕の中に渦巻いたとき、礫となって言葉になるんです」

 今後も詩の礫は続けられる限り続けるという。故郷への思いは募るばかりだ。

※和合氏のツイッターアカウントは「@wago2828」

※週刊ポスト2011年4月22日号

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