国内

国内自動車メーカー競合8社が手を取り合うクリスマス企画

 ディケンズの『クリスマス・キャロル』に代表されるように、クリスマスにまつわる物語や“クリスマスの気持ち”といったお話には、人が普段の立場や利己的な考えから離れて行動することや、他者を思いやることの幸せが描かれるものが多い。

 12月5日そんな“クリスマスの気持ち”を思わせるような、普段の立場を超えたプロジェクトが立ち上がった。スズキ、ダイハツ工業、トヨタ自動車、日産自動車、富士重工業、本田技研工業、マツダ、三菱自動車工業という、国内自動車メーカー8社が共同で、「Drive Japan」プロジェクトをスタート。

 普段は競合する会社として、常に他社より良いものを、1台でも多く――としのぎを削る企業同士が、どうして手を取り合うことになったのか。そのきっかけは、やはり3月11日の東日本大震災。この取り組みを発表した資料の一部を紹介する。

「2011年という年は、3月の東日本大震災という痛ましい天災に見舞われた年であり、震災を契機に様々な価値観が転換する年だったといえます。

 自動車業界においても、震災による直接的な被害や、震災で津波に呑まれていったクルマの映像を目のあたりにしたことによる精神的な影響など、様々な形で影響を受けることになりました。

 また一方で、震災後に日産自動車のツイッターアカウントがトヨタ自動車や本田技研工業のツイッターアカウントにオープンに話しかけたことが、ツイッター上で歴史的やりとりとしてユーザーの話題になるという出来事もありました。

 競合企業である自動車メーカー同士がソーシャルメディア上でオープンにコミュニケーションするということも新しい取り組みでしたが、それを見ていたユーザーが想像以上に盛り上がってくれるなど、従来では考えられないソーシャルメディアならではのコミュニケーションの形を体験することとなりました」

 こうしたユーザーの反応などを契機に、8社のWeb担当者が自然発生的に“業界横断でできること”を考えはじめ、企画案の呼びかけから3か月――競合企業の業界横断という背景を考えると、異例のスピードで発足に至ったという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
外交ジャーナリスト・手嶋龍一氏(左)と元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が対談
【手嶋龍一氏×佐藤優氏対談】第2フェーズに突入した中東情勢の緊迫 イランの核施設の防空網を叩く「能力」と「意志」を匂わせたイスラエル
週刊ポスト
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン