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福島の84才ラジオDJ 震災は「大東亜戦争に比べ苦労でない」

3・11の東日本大震災以降、リスナーから“元気をもらった”と絶大な支持を受けているふたりの女性パーソナリティーがいる。

TBSラジオ『キラ☆キラ』の小島慶子(39)。そして、被災地・ラジオ福島『かっとびワイド』の“チエちゃん”こと、84才の二宮チエさんだ。このふたりが特別対談を行った。

小島:「チエさんは、今回の震災はどうでしたか。お家は大丈夫だったんですか?」

チエ:「家はなんともねがった。おれは、リハビリを受けに行ってたんだ。揺れがきて、外に出ないでください、っていわれて、みんなでテーブルの下に隠れた。これが本当の頭隠して尻隠さずだよ、がはは(笑い)」

小島:「よかったですね。でも今回の震災では、ご苦労も多かったんじゃないですか。衣食住とかも大変でしたでしょ」

チエ:「大東亜戦争に比べれば、苦労したうちにはいらない。あのときは、おれぐらいの年の人間は、本当に衣食住に苦しんだのよ。ガイロッパ(雑草)まで食べたんだ。いまは国が住宅を造ってくれるし、食べ物もある。随分ましだよ」

小島:「がんばって生きていこうという福島の人が番組を聴いていると思うんですが、若い人は戦争を経験していないんで、この震災が人生の中でいちばんつらい体験で、この先どうしたらいいのかと悩んでいる人が多いと思います。そういう人たちに対してはどうですか?」

チエ:「そりゃ、職がないっていうのが、いちばんかわいそうだ。福島の人は涙も出ねえ。稼げねえ人に、努力しろって言葉もあてはまらねえ。“こうやりなさい”っていったって、できねえんだもの」

小島:「チエさんは、明るいですよね。意識してみなさんに元気をお届けするようにしているんですか?」

チエ:「うんだ、いろんな苦労をしてきたからな。この間、眼科に行ったら、先生が“よく涙が出ますか”って聞くからよ、“おれは、一生分の涙を流したから、涙も出ねんだ”って答えたのよ、がはは…(笑い)」

※女性セブン2012年1月5・12日号

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