国内

靴のネット通販 会員数10万、月間1億円売り上げを達成する

美人コンシェルジュがあなたの相談に乗ります

 アメリカでは最大手「ザッポス」が年商1000億円に急成長の「靴のネット通販」。その新サービスが日本でも始まり大成功しているという。1年間で会員数10万人を超えた『ロコンド.jp』の秘密に、作家の山下柚実氏が迫った。

 * * *
 ネット上でみつけた茶色のショートブーツ。デザインが気に入った。けれど、私の足はクセモノ。幅が広くて外反母趾気味で、ぴたっと「適う」靴がなかなか見つからない。お店で選ぶのさえ難しいのに、ネットで靴を買うなんて無謀? と不安を抱えつつ電話で相談してみた。

「今、画面で見ている靴の幅は何cmありますか?」「ちょっとお待ちください。実物をお測りしてみます」

 受話器を置いてしばらくすると、「コンシェルジュ」から返答がきた。「実測で8.5cmでした」

「ついでに靴の踵はどんな素材でしょう?」「ラバーではありませんので、少し硬めかと思いますが」

 1足をめぐっての細かいやりとり。その翌日、自宅に実物が届いた。絨毯の上でおそるおそる足を入れると……。

 あっ、サイズはぴったり。「欲しい」という気分が、ぐうんと高まる。でも、ここは冷静に、履き心地を点検しなければ。うーん、踵の硬さがちょっと気になるな。取材で長距離を歩くには地面の衝撃が響くかも……。

 さんざん迷ったあげく、今回は断念して別の靴を試すことに決めた。送料無料で返品できて何足でも試し履きが可能なのだから。

「靴のネット通販」。当初は私もナンセンスと思っていたが、アメリカの最大手「ザッポス」は年商1000億円に急成長だとか。日本でも始まった新ビジネスに興味津々、アクセスしてみたのだ。

 靴を自宅に取り寄せてあれこれ履き比べるまったく新しい買い物スタイル。2011年2月にスタートした靴のネット通販『ロコンド.jp』は、1年間で会員数10万人を超え、月に100万人が訪れ、月間の売り上げが1億円超というからすごい。

「毎月10%ずつ売り上げが伸びています」と、ロコンドを運営する株式会社ジェイドのPR兼オンラインスタイルコンシェルジュ、川口亜沙美さん(28)は言う。

「ハイヒールからスニーカー、ビジネスシューズまで様々なブランドの靴が7万~8万足揃っています。中には5~10足ほど取り寄せて試し履きされる方もいらっしゃいますよ」

 たしかに選択できる商品数は、リアルの店舗より圧倒的に多い。しかも、忙しい時間の合間をぬって注文でき、家にある洋服とコーディネートを試すことも可能。話を聞くほどに、「ネットならでは」の利点がいくつも見つかる。

「ご利用層で最も多いのは30代女性のお客さま。お子さんが寝ている間にお母さんが靴の試し履きを楽しまれたり、中には旦那さんの靴も一緒に注文される方もいます」

 とにかく、靴の一番の問題は「サイズ」にある。ロコンドは「99日間返品無料」という「お試し」サービスで、その高いハードルを越えようとしている。でも気になるのは返品率だ。

 お客さんから品物をばんばん返されてしまっては商売にならないのでは?

「返品率は5足に1足、ほぼ2割程度に留まっています。おひとりの平均購入数は1.23足です」

 私のように購入前にコンシェルジュに相談する人も多いらしい。問い合わせの電話は1日100件ほど入るという。相談内容はサイズなど商品に関する質問、流行や服とのコーディネートなどの相談、そして注文や返品の手順と、主に3種類だ。

※SAPIO2012年3月14日号

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
【海外旅行】“安い国”の住民が“高い国”に行くのは至難の業! 庶民でも「現実的に行ける国」としてタイ・ラオス・チェコ・トルコに注目
【海外旅行】“安い国”の住民が“高い国”に行くのは至難の業! 庶民でも「現実的に行ける国」としてタイ・ラオス・チェコ・トルコに注目
マネーポストWEB
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
イメージカット
「有名人なりすまし広告」の類に\"騙されやすい度\"をチェックしてみよう
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン