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日中海戦レポート著者「日本は現実に対して自信を持つべき」

 アメリカを代表する外交誌『フォーリン・ポリシー』電子版9月号に、「2012年の日中海戦」と題した研究論文が掲載された。著者はアメリカ海軍大学准教授のジェームズ・R・ホルムズ氏。尖閣諸島をめぐる争いが日中の軍事衝突に発展した場合、どちらが勝つかをシミュレーションしたものである。その結果は、「日本の圧勝」だった――。

 なぜ、いまのこのタイミングで、日中海戦に関するこれほど具体的なレポートがアメリカの外交誌に公表されたのか。

 産経新聞ワシントン駐在編集特別委員・論説委員の古森義久氏はこの点こそが重要だと語る。

「尖閣問題、広くいえば中国の海洋戦略がアメリカの国益にとって重要なテーマであることを如実に反映している。アメリカの軍関係者などは日中間の軍事衝突について、『偶発的に起こる可能性がある』と認めている。

 中国の海洋覇権拡大に神経を尖らせるアメリカは、尖閣諸島に対する中国の強引な領有権主張にも反発を強めている。レポートは、日本が尖閣の実効統治を強固にし、毅然とした態度をとることが、中国の攻撃に対する抑止力になるという、アメリカ側のメッセージだととらえるべきだ」

 レポートの著者であるアメリカ海軍大学准教授のジェームズ・R・ホルムズ氏がいう。

「日本は現実に対して自信を持つべきだと感じています。もし日本が海軍力の拡張に予算を割くことができれば、国民も指導者もより自信を深めることができるでしょう」

 尖閣諸島に不法上陸した中国人活動家をさっさと強制送還した野田政権が、その後、珍しく強硬な態度に転じているのも、アメリカによる後押しゆえなのか。毅然とした態度を示すとともに、さらに防衛力の強化を図ることが、中国に対する何よりの抑止力になる。

※週刊ポスト2012年9月14日号

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