ライフ

モテようとする努力は勉強や就活で努力することと同様に重要

 日本における「恋愛学」の第一人者としても知られる早稲田大学国際教養学部教授の森川友義さんが、新著『早稲田の恋愛学入門』を出版した。

「“恋愛学”とは、人間の恋愛を科学的に分析する学問です。20世紀までは動物の恋愛メカニズムは科学的に研究可能でしたが、人間の恋愛には規則性がないと考えられてきた。それが21世紀になり、社会学や心理学、経済学などさまざまにアプローチして研究できるようになりました」(森川さん、以下同)

 そもそも恋愛って学校で教えないとできないものなのか?

「よく恋愛は実践だ、座学じゃないっていう人もいるんですけどね。経験だけじゃあサンプル数が少なくて、そこから得られるものは非効率なんですよ。突然ですが、人間が生きる目的ってなんだと思います?」

 えっ…、食べるため? 子孫を残すため?

「遺伝子レベルまで突きつめると、食料獲得と異性獲得の2つなんです。私たちは学校などで、法律でも医学でも、専門性を身につけて経済力を持つ能力(=食料を獲得する能力)を向上させるべく訓練をしていますよね。でも異性を獲得する能力については、一切科目が存在しなかった。異性獲得は次世代に遺伝子を残す、生きるための大きな理由。モテたいというのは、それほど根源的な欲求なんです」

 つまり、受験や就職活動を一生懸命頑張るように、モテようと努力することは決してバカにできないということだ。

「実は、1万数千年前の狩猟採集時代と、現代の私たちの行動パターンは、恋愛も含めてほとんど変化がないんです。そこで、現代社会とのギャップにどう対処するかも含めて講義しています。授業は初年度から定員オーバーで、女子学生が過半数。需要の高さを感じていますね」

 政治学者として、少子化問題の解決を常々目指してきた。しかし、政府が考える政策は既婚男女に向けてのもの。

「政府がいくら既婚男女に向けて政策を打ち出しても、それは“とんちんかん”です。未婚の男女への対策こそが、少子化問題の解決につながるといえます」

※女性セブン2012年9月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン