人間、誰もがいつの日か「死」を迎えるわけで、そこで避けられないのが「墓」。最近は墓地に埋葬するだけでなく、遺骨を海に撒く「散骨」などの自然葬も行われるが、果たして散骨は海でなくてはいけないのか。これに対し、元葬儀社の社員で、『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』(文藝春秋社刊)の著者・奥山晶子さんはこう語る。
「法務省では散骨について、“葬送のための祭祀として節度をもって行われる限り、問題ない”という公式見解を発表しています。ただし、環境や周りの人たちの感情に配慮し、住宅街の敷地などで骨を撒かないのは常識。海などに撒く場合も、沖合で撒くなどの配慮が必要です。その際、お骨は細かく粉砕しますが、骨の粉砕~散骨まで含め、一般の人には難しいため、散骨業者にお願いするのがいいでしょう」
また、「夫の遺骨を近くに置いておきたいのですが、自宅の庭に埋葬することはできますか?」という疑問もあるが、これについて弁護士の黒澤計男さんはこう語る。
「遺骨は自治体の許可を受けた墓地や納骨堂に埋葬することが法律で決められています。骨壷に入れて自宅で保管する分には問題はありませんが、庭に埋めてはこの法律に違反することに加え、刑法の“死体遺棄罪”に該当します」
いくら供養が済んだからといって、何で思い通りにできるというわけではなさそうだ。
※女性セブン2012年11月15日号