国内

大メディア 自らの立場を脅かす第3極を様々な手段駆使し批判

 衆議院選挙後に安倍晋三政権が誕生する可能性を指摘する声も多いが、安倍氏と新聞各紙の距離感はかなり異なっている。前回の安倍政権批判の急先鋒だった朝日新聞は総裁選後いち早くインタビューするなど関係改善を図っている。一方、読売新聞や日経新聞は安倍氏の金融政策を危険視している勢力がある。

 だが、そうした「安倍氏との距離感」以上に大メディアが注力する至上命題がある。第3極潰しだ。

 衆院解散後、維新やみんなの党、減税日本、生活などの合従連衡を報じる記事が典型的だ。大メディアは連携が失敗すると「維新・みんな 冷えた共闘」(11月24日付産経新聞朝刊)、成立すると、「野合か大同団結か」(11月18日付日本経済新聞朝刊)という論調で報じる。要は「どちらに転んでも批判する」というスタンスだ。

 上智大学文学部新聞学科教授の田島泰彦氏は第3極批判の背景をこう読み解く。

「自民党も民主党も記者クラブ制度を温存する方針。それに対して、第3極政党の主な政治家に共通しているのは、小沢氏や亀井氏のように取材をオープンにしたり、石原氏や橋下氏のように大メディアの報道姿勢に怯むことなく苦言を呈するなど、どちらかというと既存の枠組みを壊しそうなタイプ。そういった自分たちの立場をおびやかしそうな政党にはさまざまな手段を駆使して批判しているのでしょう」

※週刊ポスト2012年12月21・28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
スカイツリーが見える猿江恩賜公園は1932年開園。花見の名所として知られ、犬の散歩やウォーキングに訪れる周辺住民も多い(写真提供/イメージマート)
《中国の一部では夏の味覚の高級食材》夜の公園で遭遇したセミの幼虫を大量採取する人たち 条例違反だと伝えると「日本語わからない」「ここは公園、みんなの物」
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン