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Xmasチキン KFCの牙城に挑戦するコンビニ業界に勝算あるか

 例年、クリスマスメニューの定番として予約が殺到するケンタッキーのフライドチキン。昨年はクリスマスキャンペーンの3日間だけで約58億円を売り上げるなど、同社にとって年間売り上げの1割強を稼ぎ出す大事な繁忙期となっている。

 今年はクリスマスが連休に重なっているため、キャンペーン期間を12月21日~5日間に延ばし、前年比101.5%の売り上げを見込んでいる。お馴染みのフライドチキンのみならず、「五穀味鶏の赤ワイン煮」や「五穀味鶏のパスタ風煮込み」など特別メニューも店舗限定で販売。多様な商品設定で売り上げの上積みやファン層の拡大に余念がない。

 ここまでケンタッキーが根強い人気を誇るのはなぜか。日本フードアナリスト協会公認のフードアナリスト、重盛高雄氏の分析。

「ケンタッキーは世代を超えたファンが多い。いつも食べている味ではなく、誕生日やクリスマスなどパーティーメニューとしての思い出が多くの消費者の心に残っています。“特別な味”の継承が同社の圧倒的なブランド力の源泉になっているのです」

 しかし、今年はケンタッキーの独壇場に割って入ろうと、コンビニ業界が高級感を打ち出したチキンの販売に力を入れている。ファミリーマートは品切れとなっていた「ファミマプレミアムチキン」の販売を再開。ミニストップも「極旨フライドチキン」をクリスマスの戦略商品に据えた。

 果たしてコンビニチキンに勝算はあるのか。

「コンビニはここ数年、個食対応の商品拡大を進めています。特に、出来たての温かい調理品を単身赴任者や夜遅くに帰る人たちに向けて提供する分野を強化しています。チキンを予約しても時間通りに取りに行けない人もいるでしょうし、その点、24時間営業のコンビニでチキンを売るメリットは大きい」(前出・重盛氏)

 短期集中販売にかけるケンタッキーにとって、クリスマス期間の「販売機会ロス」は頭の痛い悩みではある。クリスマス当日に行っても専用フライヤーは予約チキンで手いっぱい、オーブンで焼き上げるローストチキンが売ってはいるものの、フライドチキンが売り切れと分かると、諦めて帰る客が多いのも事実だ。

 前日の大量調理で販売直前に温め直すことはできないのだろうか。日本ケンタッキー・フライド・チキンの広報担当者に聞いてみた。

「生の肉から調理しているので、下準備を事前にすることはありますが、揚げるのは提供する時間に合わせて直前に行います。ただ、フライドチキンは出来上がってすぐに提供するのは熱すぎますし、数分は必ずおいて余計な油を落とすようにしています」

 ますます過熱するクリスマスの「出来たてチキン戦争」。果たしてコンビニ業界がケンタッキーの間隙をぬって伝統の味を脅かすことができるのか、注目したい。

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