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『最高の離婚』『夜行観覧車』は録画視聴の方が多いとの調査

 いまや視聴率30%を超えるテレビドラマなど滅多にない。『家政婦のミタ』のように、松嶋奈々子演じる主人公の特徴的な決めゼリフが話題を呼んで、伝説の視聴率(最終回が平均40%)を残すドラマもあるにはあるが、ほとんどの作品が10%台をさまよい、一ケタ台に沈めば打ち切り説まで流れる。

 現在放送中の連続ドラマも例外ではない。30代の未熟な結婚観を通して「夫婦とは何か」をコミカルに描く『最高の離婚』(フジテレビ系列/木曜22時~)は、第8話までの平均視聴率は11.9%。また、高級住宅街に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件の真相を明らかにしていく『夜行観覧車』(TBS系列/金曜22時~)は、第7話までの平均が11.4%と、いずれも好調とは言い難い。

 しかし、両番組とも「次週の展開が気になる」と視聴者の話題性は高く、10%そこそこの低視聴率に喘いでいる要因がよく分からないと嘆く番組関係者は多い。

 そこで、出てきたのがビデオリサーチ社調べの視聴率の“妥当性”である。

「朝日新聞が『最高の離婚』と『夜行観覧車』は録画再生率も含めると実質視聴率は30%に達するのでは? と報じたことから業界内は混乱しています。夜10時からの番組は録画して見ている若年層も多いため、その数字を加えないまま“つまらないドラマ”との烙印を押されるのは納得いきません」(ドラマ制作会社社員)

 視聴率は番組視聴者からの人気を測る尺度であると同時に、テレビ局にとってはスポンサーのCM料金に直結する指標。録画視聴までカウントして数字を上げても、CMはスキップされるから広告主には響かない――というジレンマが現場に歪みを生んでいるのだ。

 では、実際に2番組の録画数はどの程度あるのか。当サイトではウェブによる個人調査「テレビウォッチャー」で各番組の“質”を測っているデータニュース社の協力を得て確かめてみることにした。

 同社が20歳以上の男女3000人のサンプルから抽出したデータによると、『最高の離婚』(2月22日放送回)を見たと答えた「接触者数」は155人で録画数は185人。一方、『夜行観覧車』(2月21日放送回)は接触者数が179人で録画数は210人と、いずれも接触者数より録画数のほうが多い結果となった。ちなみに、両番組と同程度の視聴率だった『行列のできる法律相談所』(2月24日放送)は、接触者94人で録画数はわずか31人だった。

 この数字をどう読めばいいのか。リサーチ評論家の藤平芳紀氏に解説してもらった。

「バラエティやスポーツ番組はわざわざ録画して見るものではなく、『じっくり視聴』よりも『つまみ食い視聴』される傾向にあります。片やドラマも録画した人が全員再生して見ているわけではないので一概にはいえませんが、仮に半分が再生していると見積もっても、かなり視聴者数は増すことになります。おそらくビデオリサーチの視聴率に録画率を加味すれば、『最高の離婚』も『夜行観覧車』も公表されている視聴率の最低でも1.5倍にはなるでしょう」

 両番組の平均視聴率が11%から16%以上にアップすれば、最近でいえばNHKスペシャルで注目された「世界初撮影!深海の超巨大イカ」(16.8%)や、野球のWBCの壮行試合「日本―オーストラリア」(16.9%)に匹敵する数字になる。

 藤平氏は今後の視聴率調査の在り方について苦言を呈す。

「無作為に抽出したビデオリサーチの世帯調査とネットによる個人調査は性格の違うものですが、いまは家族揃って1台のテレビを見る時代ではありませんし、外出先のパソコンや携帯電話でテレビを見る人も増えています。そう考えると、テレビは世帯が見る“視聴率”から個人が見て感想をフィードバックする“視聴質”へと意識を変えなければ、真の番組価値は測れません」

 視聴者の「声」が反映されない指標ほど不確かなものはないだろう。

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